人口比で9.6%――。2017年8月末時点のマイナンバーカードの普及率だ。申請すれば無償でもらえるにもかかわらず、交付枚数は約1230万枚と低調である。 マイナンバーカードの普及状況はマイナンバー制度が定着するかどうかを左右する。しかし仮に広く普及したとしても、現在のマイナンバーカードにはプライバシーの侵害につながりかねない仕様上の「欠陥」がある。根本的な問題が普及率とは別にあるわけだ。それを放置したままでは、マイナンバー制度の先行きはおぼつかない。 住んでいる自治体が漏れる恐れ マイナンバーカードの内蔵ICチップはマイナンバーをいずれも含まない「電子署名」と「利用者証明」の2種類の電子証明書を搭載する。電子署名は実印相当の効力があるとされる。三菱東京UFJ銀行は2017年4月から、実印の代わりにマイナンバーカードを使って住宅ローンの契約ができるシステムの運用を始めている。 カード所有者が