戦後72年。かの戦争体験の声が次第に聞けなくなっている今、証言者たちの“孫世代”の中に、声を拾い、研究を深め、表現をする人たちがいる。 戦争から遠く離れて、今なぜ戦争を書くのか――。 インタビューシリーズ第3回は漫画家の今日マチ子さん。2004年から始めたブログ「センネン画報」で注目されて活躍する中で、沖縄ひめゆり学徒隊から想を得て描き、「マームとジプシー」によって舞台化もされた『cocoon』や、『いちご戦争』『アノネ、』『ぱらいそ』と、少女たちの戦争を描き続けている。繊細なタッチそのままに、なぜ戦争を描くのか、理由を伺った。 ◆ ――デビュー作の『センネン画報』をはじめ、今日さんの作品は淡く儚げな少女たちの日常をテーマにしているものも多いと思います。一方で、それとは全く違う「戦争」という非日常を描きはじめたのはどうしてなんですか? 今日 私が初めて戦争をテーマにしたのは、ひめゆりの女の