1995年当時のムラジッチ被告(左)と拘束時の同被告=AP ボスニア紛争の「最後の大物戦犯」といわれた、元セルビア人勢力の軍司令官ムラジッチ被告(69)が26日、ついに捕まった。長い潜伏生活で見る影もなくやつれたかつての「英雄」は今後、国際法廷で裁きを受けることになる。 セルビアの治安当局によると、ムラジッチ被告は26日午前5時ごろ、同国北部の村の親族宅で治安部隊に取り押さえられた。所持していた銃2丁を発砲することもなくほぼ無抵抗で、期限切れの実名の身分証を持っていたという。当局者は「顔色は青白く、帽子と眼鏡をかければ本人と判別できないほど年老いていた」と話した。 被告は、1995年7月に7千人以上のモスレム人がセルビア人勢力に殺害された「スレブレニツァの虐殺」などを指揮したとして、国連旧ユーゴスラビア国際法廷(オランダ・ハーグ)から集団殺害などの罪で同年に起訴されたが、逃亡。軍幹部