山室編集長(左)と古賀教授(右) 「エロかわいい」「大人かわいい」「カッコかわいい」――。一時期、ほとんどの女性誌の表紙に踊っていた「カワイイ」という言葉が、いつしかひっそりと身を潜めるようになった。一方で「Kawaii」は日本のポップカルチャーを表す世界共通語となり、外務省は今年3月に「カワイイ大使」なるものを任命し、”マンガ””アニメ”とともに、”カワイイ”を世界に売り出そうとしている。 いつしか国を挙げてまでの壮大なカルチャーになってしまった”カワイイ”を、雑誌メディアとの関係から紐解いた書籍『「かわいい」の帝国』(青土社)が発売された。”カワイイ”を作り出した社会的な背景や雑誌文化の興隆について、著者の古賀令子・文化女子大教授と、ファッション週刊紙「WWD JAPAN」の山室一幸編集長に語ってもらった。 ――まずは、”かわいいカルチャー”の源流について伺いたいと思います。古賀さんは