普通の生活じゃ物足りない。必要なものをバン(キャンピングカー、RV)に詰めこんで、冒険に出よう。情熱の矛先は「旅」—そんな「流行りのバンライフのイメージとは似ても似つかぬものでした」。そのノマドたちの多くは65歳以上の高齢者、悠々自適なリタイア生活ではなく、季節の肉体労働を求めてバンを走らせる。 リタイアできないから、ノマド生活で季節労働 昨年9月に出版された話題の本『ノマドランド(Nomadland)』に出てくるノマドは65歳以上の高齢者。米国に生まれ育ったミドルクラス(中産階級)の人々だ。一見するとキャンピングカーで旅をしながら悠々自適なリタイア生活を送っているよう。だが、彼らが旅で求めているのは「自由」でも「絶景」でもなく「仕事」だ。夏季はレジャー施設のトイレ掃除やチケットのもぎり、冬季は底冷えのするAmazon(アマゾン)の倉庫内を歩きまわり、一日約10時間の労働をこなす。高齢でも
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