ローマ教皇フランシスコは12日、訪問先のシンガポールで富の不平等について触れ、金融の中心地である同国の政府に対し、貧困層や移民労働者の保護に一層取り組むよう促した。 シャンムガラトナム大統領の隣に座った教皇は演説で、現在のシンガポールの礎を築く助けとなった貧困層や高齢者に特別な注意が払われ、移民労働者の尊厳が守られることを望むと述べた。 教皇は「こうした労働者は社会に多大な貢献をしており、公正な賃金を保証されるべきだ。私は、実用主義や功利主義のみを重視することによるリスク、すなわち進歩の恩恵を受ける底辺にいる人々の排除を正当化してしまうという意図しない結果を招くリスクを強調したい」と主張した。