『世界はシステムで動く』の訳者・枝廣淳子さんと東京糸井重里事務所CFOの篠田真貴子さんによる対談の最終回。人間関係から人生の生き方まで、メンタルモデルの重要性を語る。(構成:加藤年男、写真:引地信彦) 環境問題への関心の原点は、子どもの頃の田舎での生活 篠田:ところで、枝廣さんはどうしてドーナツ屋さん見ても(前編参照)システム思考で考えるところまでになられたんですか。 枝廣:昔は私も直線的な思考をしていました。ただ、小さい頃、住所に「大字(おおあざ)」がつくような田舎に住んでいまして、そのときに自然の循環を感じたんですね。そこの子供たちはそれぞれ山のなかに自分だけの秘密の場所をもっていて、私の秘密の場所は3月になるとふきのとうが出ました。そのとき、子供心に感じたのは、毎年この時期になると出るという自然の確かさでした。それがいま、環境問題に取り組んでいる基盤になっています。 もう一つは、ふき