ついに封切られた、山下敦弘監督の映画『苦役列車』。公開前から原作者・西村賢太の「どうしようもなくつまらない映画」といった“酷評ぶり”が話題を呼んでいたが、公開初日の舞台挨拶では「こうして映画になって、とても嬉しく思っています」と発言。ネット上では「(酷評は)炎上マーケティングを狙っているのでは?」というような意見も飛び交っている。果たして、西村の真意はどこにあるのだろうか? 現在発売中の『新潮』8月号に掲載されている山下監督との対談では、冒頭からR-15指定であることに不満を漏らすという穏やかでない雰囲気でスタート。西村本人がモデルとなっている主人公・貫多を演じる森山未來が関西出身であることにも触れ、「台詞回しが僕の考える貫多とは違いました」とバッサリ。たしかに貫多は「嫌味なくらい東京人であることに誇りを持って」おり、そこにプライドが集約している人物。映画でも貫多が喋る江戸弁のニュアンスを