歴史的仮名遣いはなぜふつうに読めないの? 読み方の決まり もし、あなたの亡くなったおじいさんの若いときの日記などが見つかってそれを読んだとしたら、「へえー、昔の人はこんなことを考えていたんだ。」とか、「お父さんにちょっとだけ聞いたことがあったけどよく分からなかったことが詳しく書いてある。」とか、興味は尽きないでしょう。私たちが古典を大切に思う気持ちも、元はと言えばこのような素朴な気持ちから来ていることは間違いありません。 ところが、そう思って実際そのおじいさんの日記や昔の人の書いた文章を読もうとすると、私たちは戸惑ってしまいます。仮名の部分がどうにも読みにくくてしかたがないからです。 おじいさんの若い頃(昭和の前期)までの時代にはこんなことはありませんでした。昔の手紙であろうと古典文学であろうと、仮名の読み方に戸惑うことはなかったのです。それまでは日本人は仮名を「昔の人が書いたと同じよ