「電子書籍」の時代がやってきた— アップルの「ipad」が火をつけた格好の電子書籍狂想曲は様々な思惑が絡み合って出版業界、ハードメーカー、書き手を巻き込んで益々喧しさを増している。そんな中、実は出版業界人が知らないとんでもない事態が足下で進行している。 電子書籍市場を「焼け野原」にしようとする電子書籍詐欺商法、「情報商材」がそれだ。巷間聞き慣れない「情報商材」だが、年間被害額はすでに日本のPC向け電子書籍市場の3倍の200憶円に及び、国や警察も動き始めた。コンテンツ業界の信用危機に『だれが「本」を殺すのか』の佐野眞一氏が警鐘を鳴らす。 『だれが「本」を殺すのか』から10年が経ちました— 拙著『だれが「本」を殺すのか』連載当時、下がり続ける出版物の販売額、上がり続ける返品率、年間1000店が廃業に追い込まれる書店経営の実情など、既に我が国の出版界は制度疲労を起こして行き詰まりをみせてました。