コロタイプは、約150年前フランスで生まれた印刷技術です。美しいガラスの板を原板に使用することから、日本では玻璃版などとも呼ばれていました。製版、印刷とともに大変手間ひまのかかる技術で、現在の効率化時代には逆行すると言ってもよいでしょう。 しかしながらコロタイプ印刷には、時を越えた素晴らしい表現が可能です。連続階調によるなめらかで深みのある質感、また和紙や特殊なコロタイプインキによる強い耐久性等、表現力と科学性を共に持っており、他の印刷技術の追随を許さぬ独自のものです。 しかし残念ながら、このフランス生まれのコロタイプ印刷では、単色(モノクロ)表現が限界でした。試行錯誤の歳月をかけて、当社では単色の限界を、多色刷(カラーコロタイプ)へと広げる開発研究に成功しました。この新技術修得によって、微妙な色彩変化や筆力の忠実な表現を必要とする、文化財の再現に大きく貢献してきたのです。 網点が無く連続