世界中の首脳からのメッセージに示されたように、安倍晋三元首相の外交政策に対する国際的評価は高い。5月に安倍元首相に対するインタビュー を行ったイギリスのThe Economist誌は、安倍氏が日本の『チャンピオン』だったと書いた。まさに安倍氏は、特に防衛、安全保障の面で、それまでの日本の総理大臣にとって想像されなかったことを達成した。2006年に初めて総理大臣に就任し、わずか一年で辞任した時、安倍氏が今後も日本政治で指導的な立場を続けていくことができるかどうか、疑いを持たれた。しかし不十分に終わった第一次安倍政権の1年間も、2012年に政権の座に復帰して行ったことへの助走期間となった。自国のための戦略的なビジョンを持ち、それを実現するために必要な勢力を持った人物は、それまでの日本政治にほとんどいなかった。安倍元首相は、世界の日本に対する見方と、逆に日本の世界に対する見方を変えた。 安倍氏の
![ROLES Commentary No. 7: 安倍元首相の「遺産」を考える:日本の外交・安全保障政策に残したもの(ギブール・ドラモットINALCO准教授/先端研客員研究員)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/f6207658c1f4a13dc2c98525234428c84ab609a0/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Froles.rcast.u-tokyo.ac.jp%2Fassets%2Fphoto%2Fogp-5d5c59bd6324eea1c8dc77f7ec1e0ae4b0f911b2b0d2b4034fa9eb01cf82f388.png)