移民に寛容とみられていたバイデン米政権が最近、移民問題で強硬な対応を取っている。中南米からの不法移民抑制のため、即時送還する対象を拡大したほか、5月には難民申請の制限措置を新たに導入する。強硬対応を嫌った不法移民の一部が流れ込んでいるカナダは警戒を強め、移民受け入れに積極姿勢を見せてきた同国の政策に影を落としつつある。 新たな流入制限措置米国で今、実施されている不法移民の流入制限措置は、共和党のトランプ前政権が2020年3月、新型コロナウイルス対策を名目として導入した。「タイトル42」と呼ばれ、感染拡大が収まる中でも、不法移民の流入に頭を抱える各州が措置の維持を求めていた。