日韓併合(明治43=1910年)によって、大韓帝国の皇帝は廃され、朝鮮の李王家は、新たに『王公族』という〝身分〟となった。 王族は、「李太王」と呼ばれた高宗▽「李王」の純宗▽「王世子」となる李垠(り・ぎん、イ・ウン)。一方、李垠の異母兄である、李堈らが、公族となった。 李朝成立(1392年)以来の国王(皇帝)としての地位を失い、「亡国」を余儀なくされた李王家の心情は察するに余りある。ただし、国を追放されたり、財産を奪われたりする悲哀を味わうことはなかった。併合時の条約などによって日本の皇族に引けを取らない高い「地位(尊厳)」と身分を維持するために必要な「待遇」が約束されたからである。 昭和17年の『宮内省職員録』(宮内大臣官房秘書課刊)の「李王職(※朝鮮の王公族を担当した役所)」の項を見てみたい。 朝鮮京城府(現・韓国ソウル)にはトップである長官(朝鮮人)、次官(日本人)以下、200人を超

