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ブックマーク / www.ebook2forum.com (15)

  • 出版デジタル機構とは何だったのか – EBook2.0 Magazine

    産業革新機構(INCJ)傘下の「公的企業」であったはずの(株)出版デジタル機構(2012年4月設立)が、民間企業のビットウェイを買収した時(2013年7月)には、「民業圧迫」でルール違反という声も上がった。その「機構」の持株(70.52%)が逆に民業の大手のメディアドゥに「譲渡」されることになったが、これは何と言えばよいのか。 「非競争領域」論は正しかったか 「機構」は、電書の配信は「非競争領域」の公共インフラであるべきという、通称“三省懇”報告書(2010年6月)の規定に基づき、「出版業界主体」でスタートした。わずか5年で、この「公共インフラ」は放棄されることになる。「公共」の名のもとに、公的資金主体で始めた事業を事実上「払い下げる」以上、その妥当性は厳しく検証される必要がある。しかし、そうした議論は起こらず、あたかも民間の企業売買のように扱われようとしている。ここでは「機構」の経営や金

  • 一瞬で消えた日本的流通の「結界」 – EBook2.0 Magazine

    紀伊国屋書店が8月21日、「インターネット書店への対抗策」として、村上春樹氏の著書の初版10万冊の9割を出版社から直接買い取り、自社店舗のほか他社の書店に限定して供給する、と発表したことは、日の書籍流通における歴史に画期を成す出来事と言える。それは栗田出版販売の倒産に続く、日的流通の自壊における里程標を示すものだ。 紀伊國屋書店の「宮廷クーデター」 俗受けする衣装を纏ってはいるが「敵」がアマゾンでなく、取次制であることは明白だ。紀伊國屋は取次不要を宣言したのだ。それが「今回のような儲かりそうなに関しては」という商売優先の限定付なのか、それとも「日にはもはやそうしたものは不要である」という新秩序のビジョンをもったものかは分からない。たぶん同じことだろう。 第1に、これは大手書店が(既存の取次をスルーして)DNP=大手印刷会社と組んで買切り・直仕入を行い、他の書店への再販売も行うという

  • 栗田倒産が起動した「業界」解体のシナリオ – EBook2.0 Magazine

    昨年2月に拙稿「日的出版流通解体へのカウントダウン」を掲載し、「現在の出版業界は、5年以内、あるいは売上規模1兆2,000億円、アマゾン・シェア30%あまりの水準で独立性、一体性を失い、分解を始めるだろう。」と予想した。果たして「業界」の要と言える「取次」の一角が崩れたが、その処理過程はさらに次の段階の始まりを予告するものとなるだろう。 出版金融システムの破綻 取次準大手の栗田出版販売の倒産は、総合取次に起こった初の事態であり、システムとしての再版制が危機に際してどのように機能するのかを示すことになった。重苦しい雰囲気で行われた債権者説明会で弁護士から提案された再建スキーム(強引な「お願い」)は、千数百社と言われる版元関係者の想像を超え、疑惑と怒りを呼んだようだ(『新文化』7/14付によれば、7/6提案より緩和した新提案が13日にあった)。詳細は、複数の版元関係者によってネット上にアップ

  • ブックフェアの「死」と再生 – EBook2.0 Magazine

    東京国際ブックフェア(TIBF)は6月15日、来年の第23回の構成と開催方法を変更することを発表した。TIBFは一般消費者向けの「純粋な『読者イベント』」となり、19回開催されてきた電子出版EXPO (eBooks)は、TIBFの中の「ゾーン」へと吸収され、消滅する。世界の主要ブックフェアの一つとしてのTIBFの終わりを意味することになろう。 「純粋な『読者イベント』 」!? 筆者の理解するところでは、TIBFは「読書推進・読者謝恩の場」を提供してきた日書籍出版協会(JBPA)と、国際的なブックフェアのネットワークを有するリードの共催として生まれた。つまり、ローカルなB2Cイベントと国際的なB2Bイベントの折衷的な性格を持っている。前者は厳格な再版制の国で「特別価格でを購入できる」機会であり、後者は日のブックビジネスの持続的発展のための商談の場である。しかし、こうした混在は、今日のブ

  • 「電書1兆円」は正夢? (4):本はコモディティか

    これまでの出版界では、の売り方を真剣に考える習慣がなかった。どうにもならないと考えられてきたからだ。米国の5年間で出版社が学んだことは、は映像やゲームなどと伍してやれる強いメディアであること、その強さは人ととの出会い(体験)によってのみ生まれること、そして読者に目を向けることでに最適化したマーケティングが可能になることだった。 ガジェットではなく、好きが市場を動かす 米国のE-Book市場が5年間で30億ドル(約3,000億円))を超えるまでになりながら、それが印刷市場に影響を与えることなく、追加分として出版社にプレゼントされたという事実は、その反対のことを言い続けてきた業界とメディア関係者の気恥ずかしさのせいか、表立って分析対象となっていない、おかげで日ではまだ事実としてさえ受け入れられていない。30億ドルもの市場は、どこから、どうやって生まれたのか、暫定的な回答を得た米英

    Guro
    Guro 2013/07/02
    そして、この記事に連鎖する。図書館は読者を育てる機関とな。それでも十分な意義だろうに。/美術館は絵画等の芸術の鑑賞家を増やしてる。と。
  • 「電書1兆円」は正夢か? (3):書籍・雑誌一体改革

    書籍市場が伸びるには、活字エコシステムにおける雑誌との連携を欠かすことは出来ないが、その雑誌はいま危機的な状態にある。出版社が書籍と雑誌も兼営する日的出版のモデルは、21世紀にも適応可能だが、マーケティング的な意味で兼営のメリットが生まれるのは、現在の書店流通の上ではなく、デジタルコンテンツ/サービスとしてということになる。現在の書店流通は、書籍とその読者にとって機能していない。「1兆円戦略」には雑誌を含めたエコシステムの再構築が不可欠だ。 が売れるには雑誌が必要 前回、書籍で1兆円の恢復は、流通上のネックさえ解決すれば十分に現実的であること、「活字離れ」 (≒消費者が悪い!)は出版人の責任放棄であることを述べた。そこで、個別の分野ごとに成長余地を示し、課題を提起したいと思ったのだが、その前に「流通上のネック」つまり出版インフラにおける構造問題について述べておく必要があると思われる。そ

  • 韓国キョボ書店がE-Bookセンターをソウルに開設 – EBook2.0 Magazine

    韓国の大手書店でE-Bookコンテンツの販売も行っているキョボブックセンター(教保文庫)は4月4日、ソウルの光化門(クヮンファムン)店にDigital Codeという名称のE-Bookセンターを開設し、サービスを開始した。韓国内外の様々なメーカーのリーダを比較・購入できるほか、E-Bookの検索・購入もできる。また、自主出版を希望する顧客へは、出版プロセスについてのコンサルティングも提供する(中央日報英語版, 04/05)。 オープン時には15の読書デバイスを展示しているが、iPadやGalaxy Tabと並んで、韓国のiriver Cover Story、PageOne e-readerのような専用リーダが置かれ、11点の韓国語E-Bookを試読できる。また、絶版を検索・購入することもできるという。キョボは韓国7都市に20店舗を展開する韓国の大手書店兼出版社で、8万点以上のE-Boo

    Guro
    Guro 2011/04/08
    昨春渡韓した時には改装工事だったー(>_<) これが見たかったなあ。
  • 総務省・電子書籍「環境整備事業」への懸念 « EBook2.0 Magazine

    総務省は10月27日、電子書籍の普及に向けた環境整備事業として10件を採択したことを「委託先候補」とともに発表した。データ規格の統一、紙と電子の書籍を同時に検索できる情報データベースの構築などが含まれ、今年度予算で合計8億3,000万円を拠出する。三省懇談会報告書の方向に沿って、「日語統一規格」に大きな比重が置かれており、シャープとボイジャーの2社がファイルフォーマットの統一仕様をまとめ、電子書籍出版協会に無償ライセンスすることになった。限られた公開情報の範囲で、今後の問題を考えてみたい。 新規事業には必ず「財源」の裏付けが要求される当今では、8億の予算は軽いものではない。他方で採択された10件の事業(とくに「統一規格」以外の部分)には十分とは言えない。10月も末の時点で予算がつき、「候補者」はこれから大急ぎで正式契約を結び、4ヵ月で予算を使い切り、納品する成果物をまとめることになる(!

  • 電子書籍を解放するために:流通全体の再構築

    電子書籍の開放を阻むべきではない」という佐々木俊尚氏の文章 (CNET Japan, 4/14)は、この国のジャーナリストとして稀な勇気ある提言で、ただの正論と(いうのも変だが)みるべきではない。共感する人は、Twitterなど様々な手段を使って、腰の座らない出版業界に読者=消費者の正論を届ける努力をする価値がある。彼らは読者とかなり遠いところで疑心暗鬼に陥ってしまっている。日の出版の歴史において、いまが決定的な瞬間だ。出版業界は変わるべきだし、そのマインドセット以外に変われない理由はないと思う。 日の10年間の電子経験:「携帯」の栄光と「一般」の悲惨 佐々木氏は、この10年間の出版業界の取組みを「1999年以降、ほとんど進んでいない」と総括し、問題が「電子書籍の流通・購読システムにあったことは明らか」としている。マンガとポルノを携帯に流して400億もの売上を上げているところをみても

    Guro
    Guro 2010/04/23
  • ニュースメディアとE-Reader

    米国Sony Electronics は3月10日、The Wall Street Journal、New York PostなどをReader Storeを通じてリリースすると発表した。これらはDaily EditionリーダまたはReader Libraryソフトウェアを使ってPC/Macに提供される。現在の定期刊行物は23紙誌となり、近く朝日や毎日の英語版などを加えて倍増する予定だ。 iPad以後に備える:次世代電子新聞は目前 E-Readerのシェア第2位と言われながら、E-Book市場ではあまり目立たない Sony Readerだが、数字と実感の差は、おそらくそれが少なからず ドキュメントビューワとして使われているためではないかと思われる。PDFのカタログやマニュアルを読むE-Readerへのニーズは非常に高いが、それにベストマッチなのはいまのところソニー製だからだ。そしてビジネ

  • 「出版物の利活用推進」懇談会って一体?

    総務省、文部科学省および経済産業省は3月10日、連名で「デジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会」の開催を発表した。第1回は3月17日、公開(傍聴制)で行われ、記者会見も開催される予定。といって、すでに行われている「利活用」を行政としてどうしたいのかは、発表からはまったくうかがえない。こういう時には何か微妙なものが隠されているものだ。 意味不明・意図不明。でもかえって重要そう まず背景・目的として、<出版文化を次代へ継承+国民がアクセスできる環境整備=国民の知る権利の保障→知の拡大再生産>というロジックが掲げられている。行政文書でもあるまいし、こんなところに「知る権利」が出てくるのはどうかと思う。筆者の貧弱な想像力では、どう考えてもこれと「出版文化」との間に直接的な関係があるとは思えないが、懇談会の方々はご存知なのだろう。検討内容は下記のようになっている。 (1

    Guro
    Guro 2010/03/13
    "もう少し利用者の「目線」で分かりやすく説明していただきたい。国民には「知る権利」があるのですから。"知らしめない審議会で知ることを議論している/旧態依然の審議会でどんな旧い議論をしてるかヲチしないと
  • 印刷本と電子本のコスト比較から考えられること

    出版社にとってE-Bookが儲かるものかどうか、あるいはどうすれば儲かるか、という問題はそう単純ではない。印刷・在庫コストが消える代わりに、単価を下げねばならず、ロイヤルティも同じではなくなるからだ。印刷の流通との兼ね合いもある。事実をもとにいくつかの仮説を立ててシナリオを描き、あとは実験をやってみるしかない。そうした意味で、大手出版社からの取材に基づいてコストを比較したNYTの記事は非常に貴重な情報を伝えている。 リンク記事 Math of Publishing Meets the E-Book, By Motoko Rich, New York Times, 2/28/2010 E-Bookは紙より儲かる!? ただし… New York Timesのモトコ・リッチ (Motoko Rich)記者 は、E-Bookビジネスを継続的にフォローしているが、2月28日の記事では、大手出版社数

  • アマゾンのシェア「急落」予想の無意味

    少なくともマスマーケットとしてのE-Bookは、アマゾンが創造したものと言ってよいだろう。KindleによってE-Readerの市場を創ったのもアマゾンだ。まったくよくやった。だから同社が90%のシェアを持ち、その地位により市場を支配してきたことも当然と言える。しかし、すでに市場が成立し、大小無数のライバルが登場した以上、次のラウンドが始まることもまた必然だ。90%という異常な数字が急降下を始めることも、驚きではなく正常化に向けた歩みと言える。市場はこれから5年間で桁を増やそうとしている。アマゾンのシェア低下は、市場の成長と表裏の関係にある。 関連リンク Amazon e-Book share to fall from 90% to 35%, Analyst Says, By Matt Phillips, Wall Street Journal BLOG, 2/16/2010 Amazon

  • 「2010年代の出版」視聴記

    東京・阿佐ヶ谷の狭い地下のライブハウス。出版関係を中心に約150人ほどが溢れ、ライブビデオの視聴者が550名以上。もちろんTwitter中継もありで、1杯(+)気分のトークショーの熱気は高まっていた。筆者は前半の休憩で失礼せざるをえなかったので、かなりの部分を見逃しているが、この時期としてはとてもよいイベントで、前半だけでもいくつかの重要な論点についての背景と解決へのヒントをいただいた。関係者には感謝したい。以下は、前半を聴いた限りで思いついたことを記したもので、もちろん十分ではない。全体はビデオ録画をチェックしてみたいと思う。 流通・印税・著作権への影響より、E-Bookで何が出来るか とはいえ、E-Bookへの関心の高さに比べて、現実にわれわれが手にできるものはわずかなので、どうしても紙とデジタルとの体験的比較など「入口」の議論が多くなる。すでに参加者の1割あまりが Kindle 国際

    Guro
    Guro 2010/02/04
    出版界の動きは、このイベントを見る限り、心配するところはなさそう。やはり気になるのはアーカイブする側と、そして既存の図書館の位置付けか。
  • 日本は「電子ブック戦争」に勝てる

    ブロガーの池田信夫氏が、1月6日のASCII.JPのコラムで「日は電子ブック戦争になぜ敗れたのか」を論じ、今年が「電子ブック元年」という重要な節目であるのに、ハード、コンテンツともに日が立ち遅れていることを指摘した。「電子ブックで鎖国する日」という刺激的な表現で、の流通機構と出版社の対応を批判してもいる。もちろん『希望を捨てる勇気』を書いた池田氏一流の反語的表現だが、逆効果になっては困るので、蛇足ながら駄文をものした。 たんなるビジネスではない 池田氏は、出版業界とともに「企業に戦略がなく、既得権を守ろうとしているうちにプラットフォームを海外のメーカーに取られてしまう」メーカーも俎上に乗せられている。筆者もまったく異論はない。気になるのは「なぜ敗れたのか」と過去形で語っている点だ。せっかくの「元年」に、皆さんに諦められても困るので、焦ってしまった。 もちろん、負けてはならない理由は

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