首相と野党党首による党首討論が、先の通常国会でも開かれなかった。2021年秋に岸田文雄首相が就任し、野党第1党の立憲民主党の代表が泉健太氏になってからは、一度も開催されていない。これでは、国会が十分な機能を果たしているとは言えない。 党首討論は、国会審議の活性化と政治主導の政策決定を目指し、00年に正式に導入された。 予算委員会のように、野党が質問し首相や閣僚が答弁する一方通行の議論と異なり、首相と野党党首が1対1で国の基本政策を論じ合う。首相は国家観や指導力が問われ、野党党首も政権担当能力が吟味される貴重な機会だ。 国会会期中、首相が本会議や予算委員会などに出席する週を除き、週1回45分間、水曜日の午後3時から開催するとの与野党の申し合わせは、形骸化している。 これまで68回開催されたが、導入年の8回が最高で、その後は減少傾向にある。森友・加計学園問題が浮上した17年、新型コロナウイルス
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