核兵器が使われる可能性が現実味を帯びる中、「核なき世界」をどう実現していくのか。平和への力強いメッセージを発信しなければならない。 広島できょう、主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開幕する。1975年に仏ランブイエで第1回が開かれてから半世紀近い歴史を持つが、被爆地での開催は初めてだ。 原爆を投下した米国と、英仏は核保有国だ。日独など4カ国も米国の「核の傘」に守られている。核抑止に依存する国々の政治指導者が集い、被爆の実相に触れることは、大きな意義がある。 ウクライナで、戦争が続いているさなかのサミットでもある。 歴史の転換期に直面しながら、国際社会は山積する共通の課題への対応力を欠いている。 強まる途上国の不信感 この数年、新型コロナウイルスの世界的流行、気候変動、そしてロシアのウクライナ侵攻により、グローバルサウスと呼ばれる新興国・途上国は、大きな打撃を受けてきた。こうした国々は、先