自動ブレーキ(AEB)だけでは回避し切れない前方衝突。ステアリングの操作を支援してそうした衝突の回避を狙うのが“自動操舵回避”(AES:Automatic Emergency Steering)機能だ。2016年、ドイツ・ダイムラー(Daimler)が高級車ブランド「メルセデス・ベンツ」の「Eクラス」で実用化。2017年には「Sクラス」にも展開した。それに続いたのが、スウェーデン・ボルボ(Volvo)やトヨタ自動車。Volvoは新型SUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「XC60」に、トヨタは高級車ブランド「レクサス」の新型セダン「LS」にAESを採用した(表)。 狙いは、大きく二つ。一つは、「交通事故による死傷者数の削減」(トヨタ第1先進安全開発部主幹の名波剛氏)である。もう一つが、米自動車技術会(SAE)が定めるレベル4以上の自動運転に向けた準備だ。AESは、自動運転の基盤技術
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