ガエル・ガルシア・ベルナル最新作。 ピノチェト将軍と軍事政権による独裁が十数年続いたチリ。国際的な批判が高まり、信任を問う国民投票が行われることになった。支持派「YES」に対し、「NO」派には資金も放送時間もわずかなリソースしか割かれない。だが、若き広告マン、レネは「未来志向」のアイディアで人々の心に切り込んでいく……。 『ザ・ウォーター・ウォー』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20130204/1359954060)では映画監督だったちっちゃいイケメンだが、今回はCM製作者。 独裁政権が常態化した世の中で、既成の運動がやっと選挙にこぎつけるが、早々と諦めムード。15分の選挙放送枠があるけれど、政権側はそれに加えて他の番組も使えるし、宣伝力では比較にならず、何よりも恐怖と安定で今まさに統治を固めている。 そこにCMで挑むのがガエル。別居中の妻が運動家で、