寺地はるなさんの『ビオレタ』を読んだ。 婚約者から突然別れを告げられた田中妙は、道端で大泣きしていたところを拾ってくれた菫さんが営む雑貨屋「ビオレタ」で働くことになる。そこは「棺桶」なる美しい箱を売る、少々風変わりな店。何事にも自信を持てなかった妙だが、ビオレタでの出会いを通し、少しずつ変わりはじめる。 素敵な物語であった。 主人公「妙」を含め、風変わりな人が多く出てくるが、みんな愛らしかった。妙に別れを告げた慎一への苛立ちはあるものの、結局そういうことだったのだ。誰もが少しずつ埋葬したい何かを持ち、棺桶につめていく。嬉しいことも悲しいことも。 菫さん、千歳さん、連太郎くん…それぞれ表現方法は異なるけれど、思いを汲める人達なんだと思う。また、妙は自分を蔑んでばかりいるが、素敵な人だと感じた(少々思い込みが激しいが) 思っていることが顔に出てしまう妙のように、私は顔を百面相のように変化させな
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