高岡早紀は、80年代の終わりからの数年間に4枚のアルバムを出している。 強引にひとまとめで語ると、ちょっとフレンチテイストのあるコケティッシュなポップスで、爆発的にヒットしたわけではないが、評価は高かった。 それから20数年を経て2014年にリリースされた『SINGS –Bedtime Stories-』は、ガチのジャズボーカルアルバムだ。 選曲は「夜寝る前に静かに聴きたいアルバム」というコンセプトのもと行われ、「星影の小径」「黄昏のビギン」「アゲイン」などのスタンダードナンバーが並んでいる。 注目すべきは、日本を代表するジャズピアニスト山下洋輔の参加だ。 どうやら彼は後見人的な立場でもあるらしい。 リリース元であるビクターのサイトに、彼のコメントがある。 「高岡早紀の体にはジャズが染みついている。父親は、横浜馬車道の老舗ジャズ・ライブ・スポット「エアジン」を創設した高岡寛治だ。親友だった