タモリと子供たちが歌った「ミスター・シンセサイザー」という歌は、1980年に「みんなのうた」で放送された。当時、新しい楽器として注目されていたシンセサイザーを顕揚する児童歌で、「ハナモゲラ語」などで知られ、表舞台へ進出してきたタモリが、歌の途中で即興で意味不明な言葉を叫ぶという趣向もあった。タモリのことは、NHKはこの当時から好きで、バラエティ番組「テレビファソラシド」に起用したり、単発ドラマの主演に使ったりしていた。あとから考えると、謎の言葉は大橋巨泉、偽外国語は藤村有弘の二番煎じなのだが、新世代のインテリお笑い芸人というところか。以後今日までNHKはタモリを重用し続けている。まあ私も、ビートたけしに比べると、タモリのほうが常識人で、面白いと思っていた。 さてシンセサイザーは、私は中学生のころに知って、面白そうだと興味を抱いたのだが、最初に「シンセサイザー音楽」に触れたのは、高校一年だっ