新型コロナウイルスの治療薬として承認審査が続いている「アビガン」について、先月下旬までの1年間に患者に投与されたのは1万人分余りと、国が計画する備蓄量のおよそ0.5%にとどまったことが分かりました。感染症の治療に詳しい専門家は、背景に、有効性が証明されず、臨床研究が続いていることを挙げたうえで、計画どおりに備蓄するか改めて検討する必要があると指摘しています。 「アビガン」は新型インフルエンザの治療薬として開発され、去年4月、政府は、当時治療薬が限られていた新型コロナウイルスへの効果も期待できるとして、今年度中に200万人分を備蓄する計画をまとめました。 厚生労働省は、すでに備蓄しているおよそ70万人分に加えて、ことし1月に富士フイルム富山化学から55万人分を購入し19日、さらに79万人分を購入する方針です。費用は合わせておよそ139億円を見込んでいます。 一方、アビガンの観察研究を続けてい