キヤノンの2008年通期(1月~12月)決算は,9期ぶりの減収減益になった(PDF形式の発表資料)。連結売上高は前年比8.6%減の4兆941億6100万円,営業利益は同34.4%減の4960億7400万円,純利益は同36.7%減の3091億4800万円である。常務取締役 経理本部長の大澤正宏氏は「2008年11月以降,先進国やロシアで需要が急激に冷え込んだ。市場が止まったとさえ思えるほどだった。加えて10月ごろから対米ドルでも対ユーロでも想定をはるかに超える円高が続いた」と秋以降の厳しい経営環境を振り返った。 2008年の事務機事業の売上高は前年比9.4%減の2兆6600億1900万円,営業利益は同16.2%減の5446億4400万円だった。レーザ・プリンターや企業向けモノクロ複写機が景気減退の影響を受けたものの,インクジェット・プリンターは世界市場が縮小する中で前年から3%,販売台数を伸