【ニューヨーク=松尾理也】作家の村上龍氏は8日付米紙ニューヨーク・タイムズに寄稿し、日本の有権者が政権交代にもかかわらず、喜びを爆発させる様子でもないのは、「政府がすべての問題を解決してくれるわけではないということに気付いた」からだと指摘した上で、「日本はようやく成熟しつつある」と変化を前向きにとらえた。 村上氏は、過去の日本では政府があらゆる問題の解決を担ってきたと述べつつ、「今日の政府はもはやすべてを良くするようなカネをもっていない」と分析した。 さらに、地滑り的大勝によって民主党が必要なカネを得るわけでもないとした上で、「日本人は政権交代によって生活が改善されると信じるほど幼稚ではない」と述べた。 村上氏は、日本人はこうした事情を理解しているからこそ、マスコミで紹介される街角の表情が政権交代にもかかわらずどこか暗い印象を与えるのだとし、「だがそれは日本が衰退のふちにあるということを意
景気悪化による消費不振、少子高齢化や人口減少に伴う国内市場の飽和、新興国の追い上げによる価格競争の激化、環境対応などで迫られる産業構造の転換――。現在、日本企業には様々な難題が突きつけられている。 いずれの解決策も、過去の延長線上の発想やノウハウ本などにある借り物の知識で見つけることはできない。だが、株主に追い立てられる経営者や管理職は早急な解を求め、付加価値創造を担うべき従業員はノウハウ本やインターネットで安易な答え探しに走り回る。 誰もが答えを求めるこの時代には、どのような人材が必要なのか――。それを探るため、日経ビジネスでは9月14日号で「急募!考え抜く社員 もう借り物の知識には頼らない」というリポートを組む。思考する社員を育てるために、それぞれの企業が何をしているのか、それをまとめた特集だ。 この企画に先立って、企業に求められる人材について、経営者や識者の意見を掲載していく。1回目
両院議員総会の終盤には席を立つ議員も多く、空いたパイプイスが目立った=8日午後4時19分、東京・永田町の自民党本部(酒巻俊介撮影) どこまで迷走を続けるのか−。8日の自民党の両院議員総会は1時間を超え、怒号とヤジが飛び交ったが、決まったことは総裁選の日程と、首相指名選挙で「緊急避難措置」として両院議員総会長の若林正俊元農水相の名を投じることくらい。半世紀にわたり、政権を担ってきた巨大政党はすっかりその矜持(きょうじ)を失ってしまった。 「われわれは野党になるんだから、その決意をきちんと示さねばならない。戦う政党として決意を新たに政権の奪還を目指していく。そういう政党に生まれ変わっていく。一致団結をお願いする」 麻生太郎首相(総裁)は淡々とした表情でこうあいさつした。衆院選後の党内の混乱にほとほと嫌気が差したのか、すっかり「油っけ」が抜け、達観しているようにもみえた。 首相は自らへの批判が噴
総選挙で8人の小選挙区候補全員が落選した公明党が苦悩している。大阪、兵庫は支持母体・創価学会の牙城(がじょう)だけに、その衝撃は大きい。野党転落で影響力低下は免れず、小選挙区からの撤退論も出始める。10カ月後の参院選に向け、戦略の見直しを迫られている。 「現場に問題があったのではない。今回の選挙は党中央の責任です」 公明党大阪府本部で5日、大阪16区で落選した北側一雄幹事長が頭を下げた。「常勝関西の議席を失い申し訳ない」(大阪5区・谷口隆義氏)、「自分の責任を痛感している」(大阪6区・福島豊氏)などの落選の弁が続き、府内の地方議員が出席した約250人の会合は重苦しいものになった。 府内の公明前職は民主新顔に、最大2万票超の差をつけられて敗北した。党勢を示すと言われる全国の比例票も805万票。05年総選挙より93万票も減らす惨敗だった。ある大阪府議は「やるだけのことはやったが勝てなかっ
自民党の中川秀直元幹事長は8日、新総裁について、「派閥を解消し、世代交代の先頭に立て、小選挙区で当選。この三つの条件を満たすのがよい。それが絶対条件だ」と記者団に語った。「私自身はそれにははまらない」と述べ、自らは立候補しない考えを明らかにした。 中川氏は総選挙後、総裁選出馬に意欲を見せていたが、小選挙区で落選しての比例復活当選だったことから支持拡大は難しいと判断したとみられる。また、中川氏は、中堅・若手が総裁選に名乗りを上げるのが望ましいとしたうえで、「国民の代表として真剣な議論をして、おのずと収斂(しゅうれん)されてくる。私もそれを後押ししたい」。世代交代を後押しする考えを示した。
田中美絵子氏 風俗ライターの過去認めた 当選証書を受け取る民主党の田中美絵子氏 第45回衆院選比例代表の当選者本人や代理人に当選証書が5日、中央選挙管理会から手渡された。 自民党の森喜朗元首相に善戦し、比例で復活当選した民主党の田中美絵子氏(北陸信越ブロック)は「ふるさと石川県のため、日本の明るい未来のために全力で頑張ろうと気持ちを新たにした」と笑顔で話した。4日発売の写真週刊誌に掲載された「コスプレ風俗ライターの過去」についてはこの日、文書で「仕事をいただいたのは事実」「取材スタイルや記事内容などは、エンターテイメントとして編集部の方で指定ないし作成されたもの」と説明した。 東京・葛飾区議を経て初当選した民主党の早川久美子氏(東京ブロック)は「ずっしりと実感がわいてきた。生活者の声を生で聞ける心を持った政治家になりたい」と抱負を語った。 比例代表での当選者180人のうち、新人は81人で、
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