奈良市の国宝・正倉院(8世紀中ごろ)で約1世紀ぶりの修理が終わり、21日、報道陣に公開された。校倉(あぜくら)造りの外観は25日から、約3年2カ月ぶりに一般公開が再開される。 1913年の解体修理後に進んだ傷みを直すため、2011年度に修理を開始。昨年11月に屋根の葺(ふ)き替えと補強が完了。その後、唐櫃(からびつ)やガラスケースを戻し、工事用の素屋根解体や敷地の整備を終えた。 瓦の約4分の3を新調するとともに、修理前より減らして瓦と下地の葺土(ふきつち)の重さを3トン軽くした。瓦の重みによる軒先の垂れ下がりが解消され、きれいな直線に。一方、創建された天平時代の平瓦738枚のうち259枚を残した。 宮内庁の杉本一樹・正倉院事務所長は「指導に当たられた諸先生をはじめ皆様の力添えで公開の再開を迎えることは大きな喜び。工事の成果を次の世代に伝えていきたい」とコメントした。 一般公開は平日の午前1