金が埋め込まれた19文字が表出した太刀(22日、福岡市博多区の福岡市埋蔵文化財センターで)=板山康成撮影 福岡市は22日、同市西区の元岡古墳群で2011年に出土した鉄製大刀(たち)のさびを取り除く作業を終え、金色に施された銘文19文字すべての表出に成功したと発表した。1400年以上前に刻まれた黄金の文字が元の姿を現した。 市によると、大刀は長さ約75センチで、漢字19文字の大きさはいずれも5ミリ前後。文字に金を埋め込む金象嵌(ぞうがん)の技法が用いられ、金は95%前後の高純度だったことが判明した。「大歳庚寅正月六日庚寅日時作刀凡十二果練」と記されているとみられ、「西暦570年に当たる庚寅(こういん)の年の正月六日庚寅の日に刀を作った」という意味だという。 出土後にX線撮影などで刀の背の部分に文字が象嵌されていることがわかり、顕微鏡を使いながら約1年がかりでさびを削った。