昭和四年度の旧制第一高等学校の入試問題のなかから国語・漢文の問題を紹介する。現代の大学入試よりずっと難しい。 総説 昭和四年度の旧制第一高等学校の入試問題のなかから国語・漢文の問題を紹介する。科目名は「國語及漢文」であり、150点満点である。「国文解釈」・「漢文解釈」・「作文」の3つの大問から構成され、どの大問も50点である。 なお、旧制高等学校は、現在の高等学校とは全く違うものであり、現在の大学の教養課程に相当する。旧制においては、小学が6年、中学が5年であり、高等学校は基本的に中学を卒業した者を受け入れた。留年や浪人などがなければ、旧制中学卒業時点では、17歳になる。ただし、旧制高等学校は旧制中学4年修了時でも受験することができたので、16歳で高校に入学するということもありえた。今回扱う第一高等学校は旧制高等学校の中でも最難関校として知られ、多くの秀才が集まったとされる。 旧制高校の入