文化庁は21日、国宝や国の重要文化財(重文)に指定されている美術工芸品(刀剣や彫刻など)約1万件のうち、所在不明が180件あるとの調査結果を発表した。一昨年、所在不明の国宝や重文が多数あることが判明。同庁が昨年7月に発表した調査結果で不明は109件(うち1件は発表後に所在を確認)だったが、追加調査で新たに72件の不明が判明した。 同庁によると、所在不明の180件のうち国宝は3件で、いずれも東京都内の個人が所有していた刀剣。刀剣は不明件数の中で最も多く86件。ほかに書跡・典籍が38件、彫刻17件など。 不明の理由は、所有者の転居先が把握できないものが69件で最多。文化財保護法は、国宝などの所有者や所在地が変わった場合、文化庁長官への届け出を義務づけている。しかし、届け出が必要なことを知らない所有者も多いという。ほかに、所有者が死去して所在がわからないものが40件、盗難が33件だった。 刀剣の