播磨地域における浄土真宗の歴史をテーマにした特別展「播磨と本願寺-親鸞(しんらん)・蓮如(れんにょ)と念仏の世界-」(神戸新聞社など主催)が、姫路市本町の兵庫県立歴史博物館で開かれている。県内でも同地域に多い西本願寺(浄土真宗本願寺派)と東本願寺(真宗大谷派)の浄土真宗両派の寺院が協力。身近な宗教の起源に光を当てる貴重な史料など約160点が並ぶ。(金川 篤) 兵庫県に現在ある約3500の仏教系寺院のうち約千カ所が浄土真宗系。その半分が集中するなど、播磨地域と浄土真宗はつながりが強い。 浄土真宗が本格的に同地域に伝来したのは、室町時代の本願寺八代蓮如(れんにょ)が高弟の空善(くうぜん)を派遣したことが契機。空善が1493(明応2)年ごろ、英賀(あが)(姫路市飾磨区)に開いた道場が英賀本徳寺に発展、ここを拠点に寺院組織が整備された。 今展では、同館が開基の古い播磨地域の寺院を中心に調査、その際
兵庫県篠山市立中央図書館(西吹)で、書庫などに保管されていながら閲覧できない状態になっている郷土史料について、市民が主体となって目録を作り、劣化や散逸を防ぐ作業が進められている。貴重な資料を次世代に引き継ぐ取り組みで、同館の担当者は「資料は篠山固有の文化遺産。まちづくりの一環として進めたい」と話す。(安福直剛) 「平成の大合併」で誕生した自治体では、旧庁舎や図書館にあった資料が多数散逸したと言われている。篠山市の中央図書館では約18万冊の蔵書のうち千点以上が整理されず閲覧できない状態になっている。 資料には同じ内容が他にない重要なものも多い。保存・活用しようと同館は2013年、神戸大学大学院の特命助教を招き「地域資料整理サポーター養成講座」を開いた。古文書の読解や整理の手順、目録の作成方法について、実技を交えた説明があった。 13人いる市民サポーターは現在、丹南町史(1994年発行)の編さ
小説や漫画で描かれる三国志の歴史を紹介する「時空をかける三国志展」が、神戸市長田区二葉町5、アスタくにづか5番館内のKOBE三国志ガーデンで開かれている。時代の変遷とともに変化する物語の様子を、約100冊の貴重資料で展示している。 中国・後漢時代の史実をテーマとした三国志。中国の歴史小説「三国志演義」が日本でも広く知られているが、中国や日本で多様な脚色がなされており、国立国会図書館所蔵の資料を基にその過程を取り上げた。 展示は3部構成。「赤壁の戦い」などを描いた中国の漫画や、江戸~明治時代に出版され、庶民に普及した挿絵や浮世絵などが並ぶ。なじみ深い吉川英治の連載小説「三国志」やアニメ、ゲームなどにアレンジされた現代の姿も展示している。 10月15日まで。入館料は大人400円、中高生300円、小学生200円。水曜休館。KOBE三国志ガーデンTEL078・612・3594(横田良平)
明石駅前南地区再開発事業に伴い、再開発区域内のビルに入居しているジュンク堂書店明石店(兵庫県明石市大明石町1)が9月末で閉店することになった。2016年度中に完成する再開発ビルの2階に、現在と同規模(約1650平方メートル)で再オープンする。 同店は1994年に明石駅前で開店し、2001年に現在地に移転した。現在、約50万点の書籍や雑誌を置いている。同書店によると、再開発ビル建設工事中も仮設店舗での営業を模索したが、近くに適当な物件がなく、断念したという。 貴崎1の男子大学生(20)は「月に1回は買いに来ていただけに残念。不便になるけれど仕方がない」と話していた。朝霧北町の女子大学生(18)は「本の種類が豊富で、落ち着きがあり、好きな場所だった。早く再開してほしい」と閉店を知らせるポスターを見詰めていた。(藤原昇平)
個性あふれる本選びで多くの読書家に愛されてきた神戸の老舗書店「海文堂書店」(神戸市中央区元町通3)が9月末で閉店することが5日、分かった。海事書にかけては日本一の品ぞろえを誇り、阪神・淡路大震災関連のコーナーを常設するなど、神戸らしい“町の本屋さん”。しかし深刻な活字離れや大型店の出店などを受け、来年の創業100年を前にその歴史を閉じる。 海文堂は1914(大正3)年、海や船舶・港湾など海事関連書の専門店として創業。70年代に品ぞろえを広げて総合書店となった。伝統の海事書に加え、児童書や人文・社会分野の本も充実。さらに郷土関連書籍を集めた「神戸の本棚」を設けるほか、月刊通信「海会(カイエ)」や雑誌「ほんまに」の発行を通じ、長く神戸の活字文化の発信拠点だった。 95年の阪神・淡路大震災では、発生から8日目に営業を再開。本や地図を求める市民が詰めかけた。そうした経験から2011年の東日本大震災
阪神・淡路大震災を機に発足したボランティア団体「歴史資料ネットワーク」(代表 奥村弘・神戸大大学院人文学研究科教授)が16、17日、淡路島で最大震度6弱を記録した地震の被災地に入り、資料レスキュー(救出)のための調査を実施した。災害が起こると、被災家屋の整理などに伴い貴重な古文書などが捨てられたり、流失したりすることが多い。2日間の調査で救出する資料は見つからなかったが、同団体は「判断に迷う資料があれば一報を」と呼び掛けている。 同団体は阪神・淡路直後の1995年2月、被害を受けた歴史資料を守るため、関西の研究者らが創設した。台風23号(2004年)で被害を受けた豊岡市や、兵庫県西・北部豪雨(09年)の佐用町、東日本大震災(11年)の宮城県など全国各地で活動。古文書を中心に、主に江戸時代から昭和の本や写真、絵画や農具を預かり、簡易修復して持ち主に返したり、公的施設に寄贈したりしてきた。 今
日本国内で起きた現代の大地震と、9世紀の大地震の発生場所が似ていることに注目が集まっている。9世紀には東日本で地震が続いた後、太平洋沖で大津波を伴う「貞観(じょうがん)地震」が発生。西日本はその18年後、南海地震に見舞われた。今年3月の東日本大震災後、一部の活断層では地震の発生確率が上昇したとの指摘があり、近い将来、南海地震の発生が予測される中、専門家は警戒を怠らないよう呼び掛けている。 独立行政法人産業技術総合研究所関西センターの寒川旭(さんがわ・あきら)招聘(しょうへい)研究員(地震考古学)が、文献や地層などから推定される9世紀の大地震の発生場所を日本地図に落とし、現代と比較した=図。 平安時代の869年に起きた貞観地震は、その震源域や津波被害などの面から東日本大震災との類似性が指摘されている。この地震の前後には、東日本の日本海側と中部、関東地方で大きな地震があった。西日本では兵庫県で
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