久しぶりに、「一杯のかけそば」の話を読んでみました。タモリが批判したことがもとで、ブームは去りましたが、バブル時代に人々に感動を与えた作品なので、 良さもあると思います。作者の方についても、さまざまなことが取りざたされていますが、作者と作品は切り離していくのがテクスト分析ですから、気にしなくてもよいでしょう。 一杯のかけ蕎麦 ________________________________________ これは大晦日に、「北海亭」という札幌の、ある蕎麦屋で起こったお話です。どの蕎麦屋にとっても、一番の書き入れ時は、大晦日です。 ここ「北海亭」でも、朝から晩までてんてこ舞いの大忙し。それでも、夜十時を過ぎた頃から、客は二、三人に減り、新たに入ってくる客もいなくなりました。 女将(おかみ)は、頃合を見はからって、根は優しいが、むっつりした顔の主人に代わって、従業員に大晦日の「金一封」と「年越
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