ロシアのソチで2014年に開催された冬季五輪で、プッシー・ライオットは「プーチンは祖国の愛し方を教えてくれる」と題したパフォーマンスを披露した。コペンハーゲン近郊のルイジアナ近代美術館で、ロシアの芸術挑発者プッシー・ライオットに捧げる回顧展が開かれているが、この初の主要美術館でのイベントでも来訪者たちが拳を突き上げて大騒ぎをすることを願っている=Pussy Riot via The New York Times ©The New York Times
![プッシー・ライオット、プーチン氏の写真に放尿映像を美術館で披露 政治活動か芸術か:朝日新聞GLOBE+](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/fda02f464932fbcf4d4a8ae3f8f113e89d83de57/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fp.potaufeu.asahi.com%2F6def-p%2Fpicture%2F27919158%2F714ebcc1684e46c14aa4282999e007cc.jpg)
治安維持の名目で、カブール市内に展開するイスラム主義勢力タリバンの特殊部隊とされる画像。8月23日、タリバン構成員が朝日新聞に提供した 首都に進軍してきたタリバンの映像を見て、気付いた点がある。彼らが手にしている自動小銃は、30年近く続いた戦いの中で彼らが使い続けてきた旧ソ連型のカラシニコフではない。世界各地の戦場で米兵が携行し、アフガン政府軍にも配ってきたM16だった。タリバンに対して、政府軍が武器を渡して投降したことを物語る。 2001年、米軍の圧倒的な軍事力を前にタリバンは政権を追われ敗走した。戦闘員の多くは、農村部や隣国パキスタンに逃れて身を隠した。当時、パキスタン側で取材したタリバン構成員は「いつでも反撃に出る。復讐は100年たっても遅くないということわざがある」と語ったが、当時、私はまったく現実味を感じなかった。 しばらくすると、タリバンはアフガン各地でゲリラ攻撃や爆弾テロを仕
代々木公園の入り口は、多くのイラン人でごった返していた=西山毅・写真/文 「東京のキャバブのけむり」(ポット出版発行、径書房発売)より ■欧州に渡った 2人の明暗 2001年秋から04年春までテヘランで暮らした私にとって、イラン人は親日家という印象が強い。だれもがテレビドラマ「おしん」(*1)を知っているし、「ヒロシマ」を口にする。 (*1)1983年~84年に放映されたNHKの朝ドラ。戦中、戦後の混乱期を生きる女性を描いた。イランではイラクとの戦争中に放送されて共感を呼び、放送中は街から人影が消えるほどの人気に。 それだけに、1990年代初めに起きたことが心のどこかにつかえていた。当時、メディアは「公園がイラン人に占拠された」とセンセーショナルに報じた。変造テレホンカード(*2)や薬物取引など犯罪がらみの報道ばかり目立った。 (*2)公衆電話用のプリペイドカード。国際電話ができるカード式
[Part1] 全国民の課税所得を公開 公平さ徹底するスウェーデン 「ギリシャの国民は『税金を払うのはバカだ』と考えているのでは」。スウェーデンの政府高官は、脱税が横行するギリシャへの怒りを隠さない。「もし、スウェーデンで、所得をごまかしたことが分かったら、近所のバーベキューにも顔を出せなくなるよ」 隣人に所得のごまかしが分かる……。この国では十分に起こりうることだ。 個人の課税所得が検索できる端末。全国の税務署に設置され、誰でも使うことができる=スウェーデンの国税庁で 浜田撮影 「この端末は全国の税務署にあって、誰でも使えます」。ストックホルム近郊にある国税庁の一室。職員が自分の個人番号を打ち込んだ。「2008年の私の課税所得は52万3341クローナ。払った税金は17万1051クローナと表示されています」 続く言葉に驚いた。 「すべての国民の個人番号と住所、課税所得は公開情報です。国税庁
[Part1] 「内閣が責任を持った憲法解釈論を 国民のみなさま方、あるいは国会に提示する」 8日、菅政権の組閣発表の会見。官房長官に決まった仙谷由人は、よどみない口調でこう述べた。 「憲法解釈は、政治性を帯びざるを得ない。その時点、その時点で内閣 が責任を持った憲法解釈論を国民のみなさま方、あるいは国会に提示するのが最も妥当な道であるというふうに考えている」 法令解釈担当となった仙谷由人新官房長官=6月8日、川村直子撮影 鳩山内閣と同じく、内閣法制局長官に憲法解釈などの国会答弁をさせない方針を続ける、その理由の説明だった。前行政刷新相の枝野幸男が兼ねていた「法令解釈担当」を自分が引き継ぐとも表明した。 自民党政権下では、憲法や法律についての内閣の統一解釈は、内閣法制局が示すとされてきた。国会の主な委員会では、首相の真後ろに内閣法制局長官が着席。首相や大臣が答弁に行き詰まると、すっくと立っ
[第13回] [若手官僚の言い分] 私たちが考えていたほうへ、少しずつ動いてきている 霞が関改革を訴えて始まった若手官僚らでつくるNPO「プロジェクトK」。政治主導が混乱するなかで、彼らはいま何を思うのか。メンバーに語ってもらった。 [出席者] ■朝比奈一郎(経産省)36歳。プロジェクトK代表。 ■遠藤洋路(文科省)35歳。プロジェクトK理事。 ■鈴木(仮名) 27歳 ――国家公務員を目指したきっかけ、また入省してから見た現実の霞が関の印象はどうでしたか。 朝比奈一郎 私が国家公務員を目指したのは、国や社会のために何かしたいという思いでした。しかし、公務員試験を受けようとしていた大学時代は、薬害エイズなどの問題もあって、公務員への非難がすごかった。公務員試験を一緒に勉強していた仲間は次々に公務員志望ではなくなっていきました。私はそんなに霞が関が問題なら中から変えていこう、と思った。最初から
日本銀行の審議委員も務めた経験がある篠塚英子人事官。インタビューの間、何度も、「対外広報が足りない」と訴えた。「日銀よりもアピールが少ない」と。一般の国民には、関心が薄い人事院の仕事だが、我々の税金で賄っている公務員の仕事を側面から支えている面もある。長年、学者生活を送ってきた篠塚氏が見た人事院とは――。 (2010年2月10日、東京・霞が関の人事院で。聞き手・野島淳) しのつか・えいこ 1942年生まれ。お茶の水女子大名誉教授。65年、武蔵大学経済学部経営学科を卒業し、社団法人日本経済研究センター入社。87年から、お茶の水女子大家政学部助教授。90年、慶応大で商学博士を取得。98年~2001年に、日本銀行審議委員を務める。その後、お茶の水女子大に戻り、学長補佐や評議員などを歴任。08年4月から日本司法支援センター(法テラス)理事を務めるが、09年4月から人事官に。 ――昨年4月、人事官に
人事官とは聞き慣れない役職だが、委員会組織である人事院を構成する3人の肩書だ。このうち一人が総裁になる。公務員制度改革が叫ばれるなか、人事院の役割は何か、民主党が目指す改革は進むのだろうか。JR東海出身の人事官、原恒雄氏に聞いた。 (2010年2月9日、東京・霞が関の人事院で。聞き手・高橋万見子、野島淳) はら・つねお 1944年生まれ。67年、東京大工学部土木工学科を卒業し、日本国有鉄道に入社。JR東日本では、総合企画本部投資計画部長や取締役長野支社長を務めた。鉄建建設の専務取締役などを経て、JR東海へ。専務取締役、副社長を歴任し、2006年4月から、人事官。 ――人事官とは、どんなお仕事ですか。 原恒雄 一般的に知られていて、仕事としても一番大きいのは人事院勧告でしょう。勧告業務で我々、人事官が忙しいのは春過ぎから夏ぐらいで、1年中、人事院勧告の作業をしているわけではありません。目立た
民主党同様、「脱官僚」を声高に訴えながら、民主党の取り組みを「偽装改革」だと批判するみんなの党の渡辺喜美代表。自民党政権下でも行革担当相として、公務員制度改革に携わった。公務員制度についての自身の考えと、民主党との対立点を聞いた。 (2010年2月19日、衆院第二議員会館で。聞き手・佐藤武嗣) 渡辺喜美・みんなの党代表 ――これまでの官僚制度のどこが問題だと思いますか。 渡辺喜美 日本の官僚制度が、身分保障に基づいて「中立・公正」という錦の御旗を立て、「各省分担管理原則」と称して、各省ごとの縦割り、蛸壺(たこつぼ)、なわばりを作り、既得権益を作ってきたところに、日本の衰退の原因がある。各省の中で採用、人材育成、幹部登用、天下りの自己完結的な世界を作っている。すると、志の高い若手官僚が、世界の大激変にあわせて日本の政策の大転換を企画・立案してきても、「とんでもない!」と一発ではねられる。 こ
民主党が力む「政治主導」。自民党の「政治主導」の在り方検証・検討プロジェクトチーム座長の林芳正氏は、民主党の公務員制度改革には一定の理解を示しつつも、当初の改革の理念が失われていると指摘する。 (2010年2月15日、参院議員会館で。聞き手・佐藤武嗣) 林芳正・自民党政調会長代理 ――公務員制度改革に取り組まれてきましたが、これまでの公務員制度によって、どのようなきしみが出てきていると感じていたのですか。 林芳正 私は自民党の行革本部で事務局を経験した。2001年に首相官邸の機能強化と省庁再編を手がけたが、同時に公務員制度改革についても議論した。その時の行革大綱で、省庁再編によって「ボディー」は変わるが、「エンジン」も変えないといけないということで、公務員制度改革を今後の課題と位置づけた。 橋本(龍太郎)さんが、総理をされた後に、自分のやり残した仕事として、行革大臣としてその作業にあたった
公務員制度改革は自民党政権下でも取り組まれてきた。民主党の改革案をどのように見ているのか。麻生政権で行革担当相を務めた甘利明氏に聞いた。 (2010年2月16日、衆院第二議員会館で。聞き手・佐藤武嗣) 甘利明・元行政改革担当相 ――民主党の「政治主導」「内閣主導」をどうみていますか。 甘利明 「表」だけ気にしていて、裏側に回ると仮設工事みたいな内閣だ。「イギリス型がいい」と言っているが、英国の公務員制度がわかっていないのではないか。英国の制度というのは「職業公務員」として、いかなる政党とも距離を置き、野党議員はもちろん、与党議員とも接触禁止だ。なのに、民主党は、与党は接触自由というスタンスだ。英国の制度は、(官僚が)政府に選択肢を示し、政府が決定したものについて、それを成し遂げるために職業公務員制度が、組織をあげて協力するというスタイル。職業公務員として、次官以下の職員に、大臣の人事権が及
[第9回] 「市場検察」の挑戦と限界。 小沢事件は、まだ終わらない 村山治 Osamu Murayama 編集委員 民主党幹事長・小沢一郎の政治団体の摘発は、「情報開示」と「ルール強化」という20年来のトレンドに沿ってきた検察が行き着いた一つの答えだった。誤解を恐れずにいえば、「市場検察」による「談合システム」への挑戦とその限界だった。 検察側のキーマンは、東京地検検事正の岩村修二だ。彼がトップでなければ、小沢が肝を冷やす展開にはならなかったかもしれない。 特捜部経験の長い、現場派検事の代表だが、検察きっての政治資金規正法の専門家でもある。1990年代前半、法務省刑事局で同法改正などに取り組み、立法趣旨や立証の「壁」を熟知しているからだ。 リクルート事件を機に始まったこの改正は、94年の企業・団体献金の制限(政党と政治家個人の資金管理団体に限定)と政党に税金を交付する政党助成法に結実する。
「政治主導」を掲げる民主党が進める霞が関改革。とりあえずの「形」は示されたが、「魂」が入るのかどうかは、細部の詰め具合次第と言えそうだ。仙谷由人・公務員制度改革担当相に今後の進め方を聞いた。 (2010年2月22日、内閣府で。聞き手・高橋万見子、野島淳) 仙谷由人・公務員制度改革担当相 ――幹部職員の一元管理などを骨子とした国家公務員制度改正法案が国会に提出されました。 仙谷由人 改革の趣旨は、各省の事務次官を社長と見立てた硬直した縦割り構造をなくし、その時々の政権を支えながら自分の能力を十分に発揮することに、やる気と喜びを感じるような公務員を随時、選抜していくことにあります。 ――運用次第で、政治家による意図的な人事が行われる可能性もあります。職業公務員としての公平性・中立性がどう担保されるのでしょう。 仙谷 幹部名簿を作成するにあたっての適格性審査が重要になりますね。適格性審査をクリア
[第15回]民主党の政権奪取で、26歳大学院生に海外メディアが殺到する理由 流布する誤解を解くために トバイアス・ハリス Tobias Harris マサチューセッツ工科大博士課程(政治学専攻) トバイアス・ハリス氏 民主党が総選挙で圧勝した。 海外での関心も極めて高い。なにせ半世紀以上ぶりの本格的な政権交代である。「台頭する中国、衰退する日本」というイメージが固定化した近年、エリート層の外国人が日本のニュースにこれほど引きつけられたのは初めてではないか。 日本のあらゆるメディアは、政権交代の意味と意義を解説する識者であふれかえっている。だが、その分析を直訳し、日本政治についてよく知らない外国人に聞かせても、まず理解できない。 新たに政権の座についた民主党について、きちんとした情報が提供されているだろうか。 「いったい、どんな考え方の政治家がいるのか、教えて欲しい」「彼らの外交・経済政策が
[第1回] 政治学者の視点 東京大学 助教 大川千寿 民主党は、自民党をはじめとした日本の主要政党と、政策的に何が違い、何が似ているのか。また米国の民主、共和両党という2大政党の政策的立ち位置と日本の政党はどう違うのか。さらには、次期総選挙後に生まれる連立政権の顔ぶれは、どのような政策的立場の政党が集まることになるのか。朝日・東大共同調査にもかかわってきた、20歳代の気鋭の政治学者に分析してもらった。 ●東大・朝日政治家調査 朝日新聞社と東京大学大学院法学政治学研究科蒲島郁夫・谷口将紀両研究室は、2003年以来、衆参両院の議員や選挙への立候補(予定)者を対象に「東京大学・朝日新聞社共同政治家調査」(東大・朝日政治家調査)を実施してきた。衆議院については03・05年衆院選時と麻生首相の就任により衆議院の解散が想定された08年秋に、参議院は04・07年参院選時調査を行ってきた。従来、政治家の意
[第2回] “地方政党”化する民主党 個別所得補償とどぶ板で地方票開拓 民主党の特集をしようと編集部で決めたとき、話題の一つに上がったのが農業政策だ。一昨年の参院選で党が三大政策の一つに掲げた農家への個別所得補償制度の導入は、「ばらまき」と指摘されながらも、一人区での圧勝をもたらした要因の一つになったといわれる。「党内でぶれはないのか」「民主党は“地方政党”化を模索しているのか」「財源の根拠は?」。様々な疑問が浮かんだ。07年の参院選当時、金沢総局で石川県選挙区を担当していた当時を思い出しながら、取材を始めた。(築島 稔) 「農水キャラバン」で、新人候補を支援 私が取材班に加わったのは4月末。取材してすぐに実感したのは、民主党の「地方重視」の姿勢だった。 次期総選挙に向けて民主党は昨年から「農水キャラバン」を始めていた。農村地域を持つ選挙区に新人候補が立候補を予定している場合、農政に詳しい
[Part1] 厚労省とは「敵対」路線? 「歳出」官庁に照準 「ミスター年金」といえば、民主党衆院議員、長妻昭だ。 48歳。電機メーカー勤務や日経ビジネス記者などを経て政界入りした。 07年、年金記録の漏れや社会保険庁の不正を発掘した。民主党にとって、07年参院選の勝利の立役者といってもいい。 衆院予算委員会で、年金について質問する民主党の長妻昭政調会長代理=河合博司撮影 もし、次期総選挙で民主党が勝利を収め、民主党中心の政権になったら、長妻は厚生労働相になるのだろうか。「次の内閣」の年金担当相を務め、メディアで「候補」に名前が挙がることも少なくない 「『長妻大臣』だけは、やめてほしい」と天を仰ぐのは、厚労省の幹部だ。課長補佐や係長レベルの中堅職員も長妻の「行状」を口々に嘆く。 「回答に困るような微細な内容の質問主意書をごまんと出す」 「全国の社会保険事務所に問い合わせないとわからない数字
[Part2] 先の先の話をしたってしょうがないじゃない 英国でも、「官僚主導」が問題視されたことがある。 「Yes Minister(はい、大臣)」という80年代のテレビのコメディーは、繰り返し再放送され、最近もDVDになった。 筋は毎回同じようなパターン。 大臣の指示を「おっしゃるとおりです」と迎合する官僚が、「ただ、ここは少し変えた方が」などと言葉巧みに誘導。結局、大臣を思い通りに操る。 4月3日。民主党本部を、駐日英国大使、デービッド・ウォレンが訪ね、菅に面会した。 英国を訪問するつもりだった菅は、ウォレンを質問攻めにした。 「官僚主導」の有無をたずねる菅に、ウォレンは、「『Yes Minister』という人気番組がある」ことに触れた。 ただ、ウォレンは、英国の官僚が政治家とのつきあいに一線を画していることも説明。たとえば外務官僚は、上司である外務大臣には頻繁に接触するが、日本のよ
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