「意地だよ、意地」。小松市の事務所前。2区での辛勝の感想を求められ、自民・森喜朗元首相(72)が上気した顔で言った。投票日の夜、日付はもう31日になっていた。民主新人、田中美絵子さん(33)との差は4469票。有効投票数のわずか2%だ。 陣営幹部は「今までは7割の力で勝てた」と言う。今回は、元首相自ら2区にへばり付いた。数十年、見られなかった光景だ。大手機械メーカーや団体もフル稼働し、当選13回の固い地盤の上に丹念に票を積み重ねた。 公示前日の自身のブログでは、逆風を「自民党自身に起因する」と反省していた。それが、公示日には態度が一変。「女性を売り物に媚(こ)びを売るだけならどこかの劇場でやればいい」。大勢の支持者の前で相手を罵倒(ばとう)した。激烈な批判は次から次へ飛び出し、最終盤まで続いた。「本人は美しいと思っているのだろうが、ポスターは修正してあるらしい」「意志のない人身御供みたいな
◇結束乱れて迷走◇ =乏しい危機感、県議の動き鈍く= 「先人が築いた地盤を継承できなかったことは、恥じる思いです」――。31日未明、3区での敗北が決まった北村茂男氏は選挙事務所でつぶやいた。比例区で復活当選を遂げた喜びはなく、居並ぶ県議たちの顔もこわばっていた。 県議14人のうち13人を自民党が占める3区。中選挙区時代から他党に議席を譲ったことのない「王国」で初めて屈辱を味わった。 地元の輪島市以外では個人後援会が弱い北村氏は、自民党の地域支部が頼りだ。しかし、7月中旬に実質的な選挙戦に突入しても、県議たちの動きは鈍かった。 最大の有権者を抱える七尾市。公示直前に地元選対会議が開かれ、和田内幸三県議、武元文平市長ら約40人が集まった。だが担当の割り振りや戦術の説明はなく、ある参加者は「これで勝てるのか」と心配になったと話す。 公示後、対立候補の近藤和也氏優位を伝える
◇1区(4)=金沢市 奥田建 50 (3)[民]元=[国] 佐藤正幸 41 [共]新 馳浩 48 (3)[自][町]前=[公] 松林淳一 45 諸新 ◇2区(3)=小松、加賀、白山市など 宮元智 49 諸新 森喜朗 72 (13)[自][町]前=[公] 田中美絵子 33 [民]新=[国] ◇3区(3)=七尾、輪島、珠洲市など 東義和 54 諸新 近藤和也 35 [民]新=[国] 北村茂男 63 (1)[自][町]前=[公] ◇森氏と田中美氏、接戦--2区 1区は奥田氏が優位。民主支持層の9割以上を固め、自民支持層に一部食い込む。馳氏は自民支持層の8割をまとめ、知名度を生かして無党派層への浸透を図る。佐藤氏は支持拡大に懸命。 2区は、元首相の森氏と風に乗る田中氏が激しい接戦を展開。田中氏は民主支持層の
◆愛知9区 「私にとって初めての経験ばかりです」 今月2日、土砂降りの雨の中で自民党前職、海部俊樹元首相が17回目の選挙にして初の事務所開きに臨んだ。麻生太郎首相も招いた「初体験」の背景には、陣営の強い危機感がある。9区内の全市町村長が顔をそろえ、来賓も口々に「これほど厳しい選挙は初めて」と窮状を訴えた。 1960年11月に初当選し、現役最長の約49年間バッジを付け続ける海部氏も自民への逆風にさらされる。 一方、3度目の雪辱戦に挑む民主党の前職、岡本充功氏=比例代表で復活=が同じ時刻に開いた集会には、昨年10月の事務所開きには姿を見せなかった4町の副町長を含め、市町村のナンバーツーが列席した。海部氏の顔を立て、首長はみな海部陣営に足を運んだものの、自治体は両にらみというのが実情だ。「自民党が野党になると分かっているからね」。岡本陣営幹部は期待を込める。 自民への逆風に加え、高齢・多選批判も
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