米国の政府や報道関連機関がSNS上の偽情報の拡散を食い止める取り組みを強めている。ウクライナ侵攻をめぐるロシアのフェイクニュースや米大統領選、新型コロナウイルス対策などをめぐる真偽不明の主張が社会の混乱や報道への不信を招き、ひいては「民主主義の破壊」にもつながりかねないとの危機感が背景にある。一方、日本でも非営利団体などが偽情報への対抗に乗り出しているが、その取り組みは海外に比べて遅れていると指摘されている。 数年前の軍事訓練の音声米国務省は8月下旬から9月中旬にかけて、調査報道に携わる海外記者向けに研修プログラム「IVLP(インターナショナル・ビジター・リーダーシップ・プログラム)」を実施した。その内容からは、現在のネット空間をめぐる米国の強い危機意識が浮き彫りになっていた。 「この射撃音をネット上の音声データと突き合わせると、数年前に撮影されたフィンランドでの軍事訓練の音声と一致する」