軍需産業の高笑いが聞こえるようだ。われわれは「半月の暗闇に生きる人々の声」にこそ、耳を澄ませたい。 英国がシリア空爆に踏み切った。過激派組織「イスラム国」が資金源とするシリア東部オマル油田の施設を破壊したと発表した。 だが空爆だけで「イスラム国」打倒が可能だと信じる人はまずいるまい。 野党労働党のコービン党首は「巻き添えで無実の人々が死ぬのは避けられない」と空爆に反対していた。これに対しキャメロン首相は空爆反対派を「テロリストの共鳴者だ」と決め付けた。短絡的で思慮を欠く発言だ。 コービン氏の言う「巻き添え」こそ、空爆という行為の本質ではないか。遠く離れて発射する空爆で、市民に紛れた戦闘員だけを狙い撃ちできるはずはない。 巻き添えによる死を当然視するのは非人道的だ。化学兵器や地雷はまさに無辜(むこ)の市民を殺傷する非人道性を指弾され、国際社会は禁止条約を結ぶに至った。空爆も同じ扱いであるべき