参院選は与党の圧勝で幕を閉じた。衆参ねじれ状況は解消し、安倍晋三首相にとって、信じる施策を成就する舞台がついに整ったと言っていいだろう。 少し気の早い話だが、仮にこの先、安倍首相が退陣するとしたらどんなことが考えられるだろうか。日本では、首相が降板せざるを得ないのは、憲法70条がいう「首相が欠けたとき」以外では次の3つの場合だ。(1)内閣不信任決議案が可決したが、首相が衆院を解散しない時(2)不信任決議にかぎらず、自民党内政局での敗北など、何らかの理由で首相自身が内閣総辞職を決断した時(3)衆院選後などに実施される首相指名選挙に出馬しない、あるいは出馬しても敗北した時-である。 与党は衆院で圧倒的多数を占めており、(1)は考えにくい。首相退陣で一般的なのは国政選挙での敗北による引責辞任で、これは(2)や(3)に該当するが、安倍首相が衆院を解散しなければそれもない。つまり、安倍首相の判断しだ