2015.02.12. *同じテーマで、一方ではお話しすることを、他方では寄稿することを頼まれました。お話しの方は一昨日でしたが、時間が短くて意を尽くせなかったこともありますので、寄稿した文章をそのまま紹介します。 1.日本人の歴史観と戦後政治 70年という時を経た今日なお、1945年8月15日という日をどのように受けとめるか、という問題から説き起こさなければならないこと自体に、私は「戦後」日本・日本人の本質的にゆがんだ歴史観のありようを改めて確認せざるを得ない。そのありようとは、日本人及び日本という国家が一度として真剣に自らの負の歴史と向きあおうとしないで70年をやり過ごしてきたということである。 「終戦」という言葉は、私たち日本人の思考に滲み込んで、もはや体質化している観がある。もちろん、「終戦」という言葉は、本来であれば価値中立的であるし、日本以外の国々にとってなんら問題はない。しか