10月に実施された、横田めぐみさんの父・滋さんのお別れ会で挨拶をする家族会代表の飯塚繁雄さん。産経新聞の電話インタビューに応じた 北朝鮮による拉致被害者、田口八重子さん(65)=拉致当時(22)=の兄で家族会代表の飯塚繁雄さん(82)が、産経新聞の電話取材に応じた。家族の死去や依然、停滞する日朝交渉など今年1年の動静を振り返り、「期待や希望を持つことがなくなってきた」と厳しい思いを吐露。体調不良から集会や講演への出席も見送らざるを得ない状況が続き、虚無感も募るなか、一刻も早い被害者の帰国実現へ改めて菅義偉(すが・よしひで)政権の奮起を求める。(橘川玲奈) 「分かっていた」訃報 「感傷的な気持ちにはなれない。政府の動きが見えない中、こういう事態が来ることは分かっていた」 今年に入り拉致被害者家族の訃報が相次いだことについて、飯塚さんはこう振り返った。 飯塚さんが「拉致問題の象徴」と評する横田