100年前の関東大震災では、混乱の中で社会に影響をもたらす流言や虚報(デマ)が飛び交った。個人が自由に情報を発信できる現代。もし、関東大震災クラスの地震が発生すれば、デマが交流サイト(SNS)などインターネットを通じて一気に拡散するリスクが指摘されている。誤った情報は避難行動にも影響を及ぼしかねない。こうした「災害デマ」の対策は喫緊の課題だ。(大竹直樹、宇都木渉) 大正12年9月1日に起きた関東大震災。発生直後の街をとらえたとされる写真がある。 写っているのは東京・日比谷交差点。倒壊した建物の残骸が散乱し、立ち往生する市電の背後に黒い煙が迫っている。激しい揺れと、多くの人命を奪った火災の脅威が伝わってくる。 しかし、写真を所蔵する東京都復興記念館によると、煙は強調のために描き加えられたものだという。空一面に煙を描き加えたものもある。 当時行われていた写真の「合成」や「修正」。いま、人工知能