Close Up 激動する世界経済の流れに、日本も無縁ではいられない。政治・経済、企業・産業、社会の注目テーマをクローズアップし、独自の視点、切り口で「詳説」する。 バックナンバー一覧 安倍晋三首相のロシア訪問を前に、LNG(液化天然ガス)をめぐって動きが入り乱れている。天然ガスを東アジアに売り込みたいロシア各社と、ロシアからの供給拡大をもくろむ日本の商社の思惑が交錯。商社間の競争も熾烈化して対立の構図が浮き彫りになり、肝心の安価なLNG輸入計画にも影を落としている。 混乱の引き金をひいたのは4月17日午後に資源エネルギー庁に届いたある知らせだった。 内容は、ロシア政府系石油会社のロスネフチと日本の商社である丸紅が、LNG(液化天然ガス)の基地建設などで覚書を交わしたというものだった。 ロスネフチは今や生産量で米エクソン・モービルを超え世界1位となった石油会社。巨大企業との提携だけに、本来