柚子やすだち、いよかんといった柑橘類の産地である四国地方。なかでも柚子は高知県が生産量全国一位を誇る。これら果汁は飲料などに利用されているが、問題は搾汁後の果皮。芳香成分である精油が多く含まれており、活用しない手はない。柚子製品の製造過程で排出される果皮から精油を効率的に取り出すことができる装置を開発したのが、兼松エンジニアリング。環境関連の特殊車両で培った技術力が、地域の産業の多角化を下支えすると同時に、同社にとっても新たな事業領域を切り拓く原動力となっている。 強力吸引作業車や高圧洗浄車のトップメーカー 兼松エンジニアリングは、強力吸引作業車や高圧洗浄車、ビルメンテナンス用清掃車といった特殊車両の製造販売を手がけ、強力吸引作業車や高圧洗浄車は国内トップシェアを誇る。1971年の創業当初は「クール・スパウト」という冷却装置を製造していたが、造船所や製鉄所といった納入企業から、「鉄粉や破片