能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県輪島市や珠洲市の街は、2階建ての木造家屋の1階がつぶれた家が目立つ。県によると県内全体の住宅被害は5万5千棟を超え、大半は木造家屋だ。被害拡大の背景には人口減少や高齢化のほか、木造家屋に被害が出やすい地震波「キラーパルス」の影響、さらには雪国特有の事情も指摘されている。 「近年の耐震設計の家はほとんど被害がない家も多い一方、古い家は1階が軒並みつぶれ、消えてしまっている」 輪島市の市街地を視察した関係者はこう話す。倒壊したのは古い耐震基準の住宅ばかりで、基準が強化された「新耐震」とみられる住宅の多くは無事だったという。 昭和56年以前に建てられた家も耐震改修工事を行い強度を確保できるが、珠洲市の耐震化率は51%、輪島市は45%と全国平均の87%を下回っていた。 耐震化が進んでいなかった背景として、過疎化により高齢者だけの住まいが増え、改修しないまま暮ら