わずか2期で終了した、今や顧みられることも少ない石坂浩二の『水戸黄門』だが、オープニング演出を市川崑が手掛けているという一点で重要な作品である。 放送時にオープニングだけをDVテープに録画して保存していたが、市川ファンで観ている人が案外少なかったりしたので、今度出る『スタイル・オブ・市川崑 -アート+CM+アニメーション-』に収録されまいかと思ったりもしたが、YOU TUBEにアップされていたのを見つけたので紹介。 『水戸黄門』のオープニングは、単に葵の紋を大写しにしているだけが恒例のパターンだったが、おそらく石坂浩二が頼んだのだろう、市川崑が演出すると、途端にこれ幸いと自分ならこんな『水戸黄門』を撮るとでも言いだけな、物凄いオリジナルなオープニングを作ってしまう。ほとんど『木枯し紋次郎』や『股旅』としか思えない霧深い道を歩く姿や、移動していくショットが印象的で、人物も例によって市川崑的ラ