脳の皮質下にある直径1.5㎝以下の血管で起こる梗塞(小脳梗塞・ラクナ梗塞)は、ほとんどが無症状で、症状が出ても頭痛やしびれなどを感じる程度なので、見逃してしまいがちです。しかし、このような無症候性の脳梗塞によって、高齢になってからの記憶障害、認知症、アルツハイマー型認知症などのリスクが高まってしまうことが、ニューヨークのコロンビア大学医学部Adam M. Brickman博士らの研究によって明らかになり、1月3日付のNeurologyに報告されました。 アルツハイマー病や年齢による脳や神経の病的な変性は、第一の症状として、短期記憶の喪失など、記憶の障害によって診断されます。以前の研究でも、無症候性の脳梗塞があった人は、なかった人に比べて認知症を発症するリスクが約2倍も高まることが報告されています。 今回の研究では658人の認知機能の低下が少ない高齢者に、記憶に関するテストとMRI検査を実施