経団連の御手洗会長が「イノベート・ジャパン」とかいってみたり*1,安部政権でもイノベーションを推進するという.こんなページまでできているし,なかなか気合いが入っているようだ.わたしは政府がイノベーションを促すことは素晴らしいと歓迎する一方で,安直なイノベーション(による生産性の向上)に対する期待が,少子高齢化や財政再建といった政策課題を放置するための口実として使われることのないよう注視していく必要を感じている. 現実問題として,イノベーションとは民意を集約することで生まれるものではない.消費者ニーズがイノベーションを生むきっかけとなることもあるが,それでさえ,どの声を拾うか悩み,何かしらギャップを埋める創意工夫を思いつくのは創造的な個人や組織の企業家精神である.単純に政治的に集約された期待はイノベーションに結びつかないことが多いのではないか.トートロジーになるが,誰もが思いつくこと自体が新