各章をThe Economistの編集者、記者が担当して、様々な分野の今後の見通しを記した本である。どの章も一つ一つ丁寧に書いてあって、しかも自分がこれまで全然見ていなかった切り口を提示しているのが素晴らしい。 未来を予測するために、まず過去を振り返る 単純に過去を未来に当てはめるのではなく、そうした流れが途絶することを積極的に見越していく。 アジア―とりわけ中国―の隆盛を重視する姿勢 暗い見通しが好きな未来予測産業の大多数とは対照的に、前向きな進展の構図を描き出そうとする こんな手法により、未来を予測することから現在を理解するという考え方らしい。最初に人口動態という極めて的確な未来予想を持って来ているのも興味深い。人口は増えるが、人口が増えたからといって紛争が勃発するわけじゃないし、環境負荷がそれほど大きくなるわけでもないと淡々と述べているのは非常に面白い。 戦死者の数は、1940年代後