ちょっと、あんた、最近つきあい悪いわよ。そうよそうよ。同僚がふたり寄ってきて、言う。それから笑う。彼らは私の親しい同僚で、三人で、あるいはそれ以上で、ときどき食事をともにする。 現代の、少なくとも中年以下の女性がほとんど話すことのない人工的な女ことばを、彼らはときどき使う。たとえば、ストレートに告げるとちょっと重く聞こえそうなことを言いたいときなんかに。彼らのうちひとりは男性でひとりは女性、性別と外見以外はよく似ている。人なつこくフットワークが軽い。合理主義で現実的。人を見限るときにはその判断に時間をかけず、早々に切り捨ててしまう。それぞれが社外に配偶者とひとりの子を持っている。料理が好きで掃除は嫌い、寒さに強く暑さに弱い。 仕事帰りに彼らと合流する。彼らのうちのひとりが尋ねる。ねえ、なんで、ときどきオネエ口調になるの、今日この人を誘ったときみたいに。ひとりがこたえる。ふだんの俺じゃない人

