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2017年6月18日のブックマーク (2件)

  • 世界を見るための窓(無料) - 傘をひらいて、空を

    ちょっと、あんた、最近つきあい悪いわよ。そうよそうよ。同僚がふたり寄ってきて、言う。それから笑う。彼らは私の親しい同僚で、三人で、あるいはそれ以上で、ときどき事をともにする。 現代の、少なくとも中年以下の女性がほとんど話すことのない人工的な女ことばを、彼らはときどき使う。たとえば、ストレートに告げるとちょっと重く聞こえそうなことを言いたいときなんかに。彼らのうちひとりは男性でひとりは女性、性別と外見以外はよく似ている。人なつこくフットワークが軽い。合理主義で現実的。人を見限るときにはその判断に時間をかけず、早々に切り捨ててしまう。それぞれが社外に配偶者とひとりの子を持っている。料理が好きで掃除は嫌い、寒さに強く暑さに弱い。 仕事帰りに彼らと合流する。彼らのうちのひとりが尋ねる。ねえ、なんで、ときどきオネエ口調になるの、今日この人を誘ったときみたいに。ひとりがこたえる。ふだんの俺じゃない人

    世界を見るための窓(無料) - 傘をひらいて、空を
    daisukebe
    daisukebe 2017/06/18
    “退屈はよくない。とくに心が退屈なのはよくない”
  • 美しいものはいつでも遠い - 傘をひらいて、空を

    梅雨だからといって四六時中雨が降っているのではない。今は雨が洗い流したあとに陽の差している美しい午前で、窓の外のごみごみした風景でさえ、内側から発光しているように見える。目の前の景色なのに遠いところのように見える。美しいものはなぜだか遠くにあるように感じられる。すぐに落とすから、化粧は日焼け止め程度にする。ヒールのないサンダルを履く。 自宅を出る。はす向かいの建物の外階段に青年がふたり座っている。今日は平日だけれど、言うまでもなく、平日に働いている人間ばかりでこの世ができているのではない。青年たちは飲みものを片手に笑顔で語らっている。彼らの視界にわたしが入る。彼らはちょっと首をのばしてわたしを見る。わたしは軽く会釈する。ひとりが会釈をかえす。はす向かいの建物はタイル張りも愛らしい古い個人住宅で、しばらく人の気配がなかった。新しい住民が入ったのだろう。わたしは歩く。角を曲がるとにぎやかな外国

    美しいものはいつでも遠い - 傘をひらいて、空を
    daisukebe
    daisukebe 2017/06/18