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ブックマーク / lleedd.com (11)

  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » ようやく

    東京大学の教授に就任して一年半が経ちました。慣れないことも多くて、ばたばたしておりましたが、少しまとまった形で報告できることが整ってきたので、皆さんにお知らせします。 私たちの研究室では、先端技術の夢を社会に伝えるべく、様々な研究者と共同でプロトタイプを開発する活動を行っています。その発表の場として、Research Portraitという展覧会のシリーズを企画しました。その第一弾として、「チタンをコモンメタルへ」を目標にするレアメタル研究者の岡部徹教授、Additive Manufacturing(3Dプリンティング)研究の草分け的存在である新野俊樹教授との共同で「チタン/3Dプリンティング 〜マテリアルの原石」を開催します。 チタンは、軽くて強くて耐性にすぐれ、金属アレルギーを引き起こさないなど実用に優れた特性を持っています。医療用のインプラントやゴルフクラブヘッドなどに使われている

    山中俊治の「デザインの骨格」 » ようやく
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    daisukebe 2014/10/26
    “2014年10月23日(木)- 11月2日(日) 11:00 – 19:00(入場無料) 場所: 東京大学生産技術研究所S棟1階ギャラリー”
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » チタンに見る夢

    チタンという金属はとても貴重なものだと思われています。でも実は、地球の表面付近にある元素では9番目に多い元素で、銅の百倍ぐらいあるんだとか。チタンは金属の中でも特に非強度が高く(軽くて強い)、硬いのに折れにくく、酸にも強く、海辺にあっても錆びない、人の肌に触れてもアレルギーを起こさないなど、いわゆる生活用品や建材として最適の特性を備えた、金属の優等生です。にもかかわらずご存知のように、使われているのは高級時計やゴルフのヘッド、航空機の部品など、高級品や高機能部品ばかり。理由は高価だから。ふんだんにあるのになぜ高価なのでしょう。 問題は作るのが難しいということです。自然界には酸素をはじめ他の元素と非常に強固に結びついた状態で存在するため、引きはがして純チタンにしようとするとエネルギーを大量に使います。ようやく純チタンを手に入れても、硬くて粘りがあるので削るのも曲げるのも難しく、高熱では酸素や

    山中俊治の「デザインの骨格」 » チタンに見る夢
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    daisukebe 2014/10/26
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » あらためてSuicaの話でもしようか その2

    前回に続いて、SUICA改札機の裏話的開発ストーリーです。 実験は田町の臨時改札口で行うことになりました。二日間の実験でしたが、準備には2ヶ月以上を費やしました。実験なんだから、うまくいかなければやり直せば良いと思うかもしれませんが、実際には、ある程度以上の規模の実験はコストも手間もかかるので、ワンチャンスになることも少なくありません。そう思って、周到に準備することは重要です。 被験者となってくれる人たちに、何時間もつき合わせることはできないので、ひとりづつ約束をとりつけ時間と人数を調整する必要もあるし、記録装置のセッティング、分単位のタイムテーブル、人員の配置とその人たちに配布するマニュアル、その場で実験内容を変更できる実験機の設計と準備など、意外に複雑で大きなイベントになります。 実験では驚くような光景がたくさん見られました。今では考えられないことですが、カードを縦に当てる人、アンテナ

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    daisukebe 2010/11/26
    プロトタイプの写真が面白いなあ
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » ドリームチームが作ったMUJIアプリ”NOTEBOOK”

    MUJIブランドから、iPad向けのアプリNOTEBOOKが発売になりました。無印良品のソフトウェア、しかもApple向けというだけでも十分ニュースなのですが、私にとってはさらにうれしい事件でした。この開発チームが知った顔ばかりなのです。 開発主体となった、Takram Design Engineering の創設者、田川欣哉@_tagawa君は、学生の頃から私のオフィスで働いれくれた元スタッフです。特に2001年以降の数年間は、私のオフィス兼自宅に住み込んで文字通り24時間片腕となってくれました。 その彼が、サン・マイクロシステムズからGoogleを経てtakramにやって来た川原英也@hideyaさんとともに、このプロジェクトのために集めた面々は、以下の通り。 CyclopsやTagtypeキーボードを私と一緒に製作したソフトウェアエンジニア間淳@2SC1815J 君 。On th

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    daisukebe 2010/11/18
    触ってみようかな
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » 愛のインボリュート・ギア

    歯車というと、多くの人は三角のとんがりを円周に沿って刻み付けた、いわゆるギザギザの円を思い浮かべるでしょう。しかし実を言うと、私たちの身の回りによく使われている歯車のほとんどはそうなっていない。歯車を三角の歯で作ると、ちょっとした不都合があるのです。 二つの歯車のお互いの歯が三角だとしましょう。まっすぐ向き合っている時は斜面と斜面がぴったり合っているので問題ありません。しかし、歯車が動いて離れて行くときに、その尖った先端が他方の歯の斜面をこすります。歯と歯が出会うときも同じです。少し引っ掻くだけなのですが、時計の歯車のように毎日何百回も出会い続けたり、エンジンのように一分間に何千回も出会う歯車では、お互いに少しずつ削り合って、徐々に大きな損傷になります。 そしていつの間にか隙間ができて、ごつごつと衝突するようになり、ますますお互いを傷つけ合って壊れてしまいます。毎日の小さな衝突が、積もりに

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    daisukebe 2010/10/30
    デザインへの愛を感じる
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » いらっしゃいませ、「はんぱ屋」です。

    鉄砲伝来と宇宙基地で知られる種子島には、千年の伝統を誇る「種子鋏」を打つ鍛冶職人たちがいます。数年前にその作業場を見学させてもらったときのこと、私は、ふとある物体の美しさに目を奪われて、作業中の親方に声をかけました。 「あの・・・その足もとに置かれたものを譲ってくれませんか。」 初老の親方の足下には、柔らかい鉄(柄や背の部分)と固い鋼(刃の部分)を叩き合わせたばかりの鋏の原型が並べられていました。それは長い棒のついたナイフのような物体で、この後に長い柄をくるりと丸めて二つ合わせるとあの鋏の形になります。 変なことを言い出す人がいるもんだと苦笑いしながら、親方はそれを手渡してくれました。まだ暖かいその物体には、仕上げられた繊細な種子鋏にはない、親方の息づかいがありました。荒々しい質感と素朴で実直な形には、これから鋏になるという意思が込められているようにも見えました。 ものづくりの現場が大好き

    daisukebe
    daisukebe 2010/09/08
    あーこれ行きたい!
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » ライブで絵を描くという事

    数年前、自分の画力がぐんと上昇したと感じた瞬間がありました。自分の個展の会場で、作品集「機能の写像」をぼちぼちと売っていたときのことです。 その日私は、展覧会まで来て買ってくれた人のために、の見返しにその場でサインとスケッチを添えることを思いつきました。感謝の気持ちを表そうとした事だったのですが、実際にやってみると、人の所有物となったに大勢の前でスケッチを描くのはとても緊張しました。失敗は許されないし。 緊張の中で、私は迷いを吹っ切るために、いつもとちがう間を取りました。紙の上にはっきり物の姿が見えるようになるまで集中力を高め、イメージを貯めてからラインを置くようにしたのです。結果は良好で、私の絵は格段に速くなり、何枚か描くうちに私はちょっとした新境地にいました。 絵を描くとき、うまく描けたと思えるまで人に見せたくないと思う人は多いでしょう。芸術には確かに人に邪魔されずに自分と向き合う

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    daisukebe 2010/09/03
    「音楽にライブでしか生まれないものがあるように、ネイティブの人と語らないと語学が上達しないように、絵にも多くの人との関わりの中でこそ身に付けられる表現が確実に存在します。」
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » いまさらながらiPhone 3Gのボディの秘密に気がつきました

    分解大好きお姉さんの万里子さんが、不要になったiPhone 3Gを分解しました。その結果、今更ではありますが、ひとつ発見がありましたので報告します。 上の写真は、3Gのプラスチックボディの内側です。よく見ると通常のプラスチック部品ではあまり見られないツールマーク(縞模様のような溝)が見られます。この溝は、ボディの内側をNC加工(コンピュータコントロールのドリルによる切削)した痕跡です。 ユニボディと言われるMacBook ProやAirは、アルミニウムの固まりから削って内面を作るので、ボディの内側全体がNC加工のツールマークに覆われています。これはiPADも同じです。しかし、プラスチックの部品の場合は、型に始めからかなり複雑な形状を作り込むことができるので、後から加工することは通常行われません。 にもかかわらず3Gのボディの内側は、全体の5分の一ぐらいの面積がツールマークで覆われていました

    daisukebe
    daisukebe 2010/07/19
    こういう見方もあるのか
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » スティーブ・ジョブスの台形嫌い

    手もとにあるプラスチックの製品を見て下さい。真四角な箱だと思っていたものが、よく見るとほんの少しだけ台形になっていませんか。二つの箱を合わせて作られた製品の、真ん中のつながりをよく見ると、わずかに「くの字」に膨らんでいませんか。まっすぐな円筒だと思っていたプラスチックのキャップ、よく見ると少し、口の側が大きくなっていませんか。 プラスチックの製品は、熱く溶けたプラスチックを型に流し込んで、冷えて固まったところで取り出して作ります。そのために多くの場合、どちらかの方向に向かって台形に広がっています。まっすぐなものは型から抜けないからです。型抜きポンで作る板チョコが必ず台形になっているのと同じです。真四角の高級生チョコは違いますよ。ひとつ一つ切って作りますから。 appleの創始者スティーブ・ジョブスはこの台形が許せませんでした。Mac II以前のMacはみんなちゃんと直方体になっています。プ

    daisukebe
    daisukebe 2010/04/19
    あとで
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » 旅客機の全長と便器のサイズ

    計量感覚の話は、随分反響をいただきました。寸法を目で測れるようになる事ばかりでなく、Gurigurimomongaさんのコメントに上げていただいたフェルミ推定のように、手持ちの条件から大雑把に数量を推定することも、デザイナーに必要な能力の一つです。 先日の上海帰りに、私の乗る飛行機が大阪周辺にさしかかったとき、右方向に平行して飛ぶ旅客機を見ました。どんどん近づいてきて不安になったので、距離を推定する方法を考えてみました。 見えている機影はB777で、その全長はわかっているので、これを基準にして見かけ上の大きさと比較してみることにしました。窓に指を当てて計ってみると、窓の位置では全長が2センチぐらいに見えています。飛行機の実際のサイズはおよそこの3500倍。視野角が同じなら距離とサイズは比例するので、窓と自分の顔の距離を3500倍して約3kmと推定しました。 この推定は、かなり乱暴なものです

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    daisukebe 2010/01/18
    便器の件、なるほどと思った
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » 日産自動車をやめた理由

    上の絵は日産自動車にいたころにインフィニティQ45のイメージスケッチとして描いた絵です。 その頃に御世話になった平田さんから、先週、日産を定年退職されるというメールをいただきました。何もできない上に、集団行動のとれなかった私は、迷惑をかけ通しだったと思いますが、平田さんの言葉や絵から学ばせていただいたことが今も財産になっています。 私は日産自動車を5年でやめています。平田さんはじめ、みんな素敵な人たちだったし、仕事も楽しかったのですが、専用シャトルバスと社員堂に耐えられなかったんです。全員が同じバスで一斉に出勤することや、お昼休みに一斉にご飯をべるのが、毎日とてもこわかった。 一匹狼を気取るほど勇ましくはないです。みんなと一緒にやれと言われるのがなんか憂なだけ。そんなワガママなと思うでしょう。私もそう思います。こんなんで良く先生やってるなー。 坂井直樹さんにこの話をしたら「山中さん、

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    daisukebe 2009/11/05
    「全員が同じバスで一斉に出勤することや、お昼休みに一斉にご飯を食べる」とか・・・
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