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ブックマーク / econ101.jp (17)

  • ノア・スミス「弱い円は日本にとって好機,なんだけど」(2022年11月24日)

    [Noah Smith, “The weak yen is an opportunity,” Noahpinion, November 24, 2022] じゃあ,なんで日はその好機を利用してないのさ? ぼくが日にはじめて暮らしたのは,2000年代中盤のことだった.当時,円の値打ちはすごく覚えやすかった――だいたい,1ドル=100円だったからだ.どんなものでも,日で値札を見かけたら,頭の中で100で割ってやればだいたいどれくらいの値段なのかつかめた. 「1ドルだいたい100円」為替レートの時代は,約30年続いた.そして,2022年3月に,なにかがブツンといった.円が下がりはじめて,10月には少しのあいだとはいえ1ドル150円にまで下がって,それから1ドル140円にまで少しもどした: Source: Xe.com ドルにかぎらず,日の実質為替レートはあちこちの貿易相手国に対しても下が

    ノア・スミス「弱い円は日本にとって好機,なんだけど」(2022年11月24日)
    deadwoodman
    deadwoodman 2022/11/28
    “韓国と台湾は…輸出強国でありつづけている…現時点,日本の賃金はとても競争力がある〔=安い〕.また,電力コストはほどほどの高さでしかない(ドイツよりはずっと低い)…かんたんな説明は思い浮かばない”
  • ノア・スミス「日本の生活水準,低すぎ」(2022年5月24日)

    [Noah Smith, “Japan’s living standards are too low,” Noahpinion, May 24, 2022] 働きづめでも報われない国 日からこんにちはこんにちは! 2週間の旅行でこっちにきてて,せっかくだから日について何か記事を書こうと思う.まずは,経済の話からはじめよう. たいていの人たちが日について最初に気づくのは,各地の都市がいかにすばらしいかってことだ.とりわけ東京は,現代の驚異だ.キレイに刈り込まれた木々に取り囲まれて,設計のしっかりしたぴかぴかのビル群がそびえたっている.レストランやお店や各種の娯楽は目眩がするほど数知れず,どれもこれもすばらしい.どこも混み合ってるけれど,それでいていつもなぜか静謐を感じさせる.そして,ほんの数分歩けば電車の駅にたどり着いて,そこからどこでも必要な場所に向かえる.他のどんな国もおよばない

    ノア・スミス「日本の生活水準,低すぎ」(2022年5月24日)
    deadwoodman
    deadwoodman 2022/05/25
    “中流階級の人たちは,自分たちがみずから消費する医療その他のサービス分の税金を払っている.日本に本当に足りてないのは,貧困緩和だ.他の豊かな国々の大半よりも再分配の度合いが小さい財政制度”が日本の問題
  • ランダル・レイ「現代貨幣理論への“カンザス・シティ”アプローチ:成立史から辿るMMT入門」(2020年7月)

    現代貨幣理論(MMT)は、異端派経済学内の流派の一部を統合したものである。主権通貨を発行する国家において、金融・財政の運営を記述することに焦点が当てられている。…論文では、ミズーリ大学カンザスシティ校(UMKC)とバード大学レヴィ経済研究所におけるMMTへの取り組み、「カンザス・シティ」アプローチの発展について焦点を合わせてみたい。 The “Kansas City” Approach to Modern Money Theory by L. Randall Wray Levy Economics Institute of Bard College Working Paper No. 961 July 2020 目次 表券主義ー貨幣国定説 信用貨幣:貨幣サーキットと内生的貨幣 貨幣の性質 バランスシートの統合および整合: あるいは、政府支出の実態 部門別収支 金融不安定性 機能的財政、需

    ランダル・レイ「現代貨幣理論への“カンザス・シティ”アプローチ:成立史から辿るMMT入門」(2020年7月)
  • アレックス・タバロック「イノベーション版,囚人のジレンマ」(2019年12月30日)

    [Alex Tabarrok, “The Innovation Prisoner’s Dilemmam,” Marginal Revolution, December 30, 2019] ぼくは風車って美しいなって思うけど,そうは思わない人たちも大勢いる.環境保護の意識が高いドイツにすらたくさんいる. ブルームバーグ:(…)新しく風車の塔を建てる許可を得るのがしだいに難しくなってきている.地元の規制がいっそう厳格になってきているのだ.バイエルン州では,2014年に風車の建設地からもっとも近い民家までの距離を風車の高さの10倍でなくてはならないと決定した.住宅の密度ゆえに,この規制によって建設地を見つけるのが困難になった.バイエルン州内での風力発電の発展は,事実上,失速している.ベルリンを囲うブランデンブルク州では,集合型風力発電所(ウインドファーム)の事業者に,風車1台あたり年1万ユーロ(

    アレックス・タバロック「イノベーション版,囚人のジレンマ」(2019年12月30日)
  • ジョセフ・ヒース「移民についてのカナダ特殊論」(2017年7月1日)

    Canadian exceptionalism Posted by Joseph Heath on July 1, 2017 | Canada, immigration, multiculturalism 先日のことになりますが、イギリスの選挙ではジェレミー・コービンが躍進し、フランスではマクロンが現象を巻き起こすことになりました。この両出来事を受けて、右派ポピュリズムの熱狂は崩壊し始めている、といった楽観論が見られます。こういった楽観論が現れたのは、ドナルド・トランプ、彼の存在がある程度は理由になっているでしょう。トランプの選挙とそれに引き続いた彼の言動は、醜悪なアメリカ人の完全な自己標のようなものになっていました。このトランプの一連の言動は、他国の有権者に「トランプに権力を与えた熱狂を我々は克服しているのだ」と思わせ、これらの国におけるポピュリズムの趨勢に相当のダメージを与えたことは

    ジョセフ・ヒース「移民についてのカナダ特殊論」(2017年7月1日)
  • ジョセフ・ヒース「ホッブズの難しいアイディア」(2014年12月15日) — 経済学101

    Joseph Heath, “Hobbes’s difficult idea” (In Due Course, December 15, 2014) ポール・クルーグマンの「リカードの難しいアイディア」は私のお気に入り論文のひとつである。そこでは、どうして人々が「比較優位」の概念を理解するのがこれほど大変なのかの理由が述べられている。比較優位ほどひどい状況ではないとは言え、「集合行為問題」も理解が難しい概念であるということを最近思い知らされた。この概念は比較優位よりもう少し長い歴史があるが、集合行為問題を「ホッブズの難しいアイディア [1] … Continue reading 」と呼んでも歪曲にはならないだろうと思っている。 数日前にジェイムズのコメントを見たことが、この問題を考えるきっかけになった。 思うに誰でもフリーライダー問題を理解できるけれど、実際にこの世界を〔フリーライダー問題

    ジョセフ・ヒース「ホッブズの難しいアイディア」(2014年12月15日) — 経済学101
  • ジョセフ・ヒース「ワクチン接種は集合行為問題だ」(2015年2月5日)

    Joseph Heath, “Vaccination is a collective action problem“, (In Due Course, February 5, 2015) 何週間か前、集合行為問題の理屈を理解することは多くの人にとって難しい、という投稿を書いた(ホッブズの難しいアイディア)。集合行為問題とは、人々のやりとりがよくない結果にいたるのだが、だれもそれを止める動機を持たない、という状況のことだ。 NHL選手(の間でのおたふく風邪の流行) [1] 2014年にナショナルホッケーリーグ − NHL – 選手の間で起きたおたふく風邪の流行 や トロントでの麻しんの流行で予防接種がニュースになっているので、私はこのところ毎日この問題を考えてしまう。ワクチン接種に関する議論にずっと私はイライラしているのだ。なぜかというと、みんな自分の子供にワクチン接種を受けさせない親は不合

    ジョセフ・ヒース「ワクチン接種は集合行為問題だ」(2015年2月5日)
    deadwoodman
    deadwoodman 2019/05/06
    “こういう人たちは自分の利益にとって都合の良いことを信じている…地球温暖化を信じない人たちと同じで、自分のライフスタイルを変えたくなくて、反社会的に振る舞っていることを認めなくてすむような考えを持つ”
  • タイラー・コーエン「なんでみんなセックスしないの?」(2005年5月9日)

    Tyler Cowen “Why don’t people have more sex?” Marginal Revolution, May 9, 2005 以下は当ブログの熱心な読者であるマイケル・ヴァッサーのコメント どのような形態の帰結主義も,性的な行動の解釈に多大な困難を伴います。端的にいえば,説明できないセックスの不足があるのです。女性も男性もその他のほとんどの活動よりもセックスを楽しく思う(これは平均としての話で,私がそう感じるかは別の話です)ことを示す研究や,セックスが質的に低コストであることを踏まえれば,おおざっぱな推定に推定したとしても,効用を最大化する人はほとんどの人よりもおそらく多くの時間をセックスすることに費やすように思えます。この点に関する経済学的な議論を何かご存知でしょうか。 僕らに必要なのは正当事由というよりも,取引を拒むことから利益が生じる理由だ。いくつか

    タイラー・コーエン「なんでみんなセックスしないの?」(2005年5月9日)
  • タイラー・コーエン「科学研究のコスパは悪くなっているのでは」

    [Tyler Cowen, “Science is getting less bang for its buck,” Marginal Revolution, November 16, 2018] 『アトランティック』のパトリック・コリソンとマイケル・ニールセンによる記事: (…)今回の調査のために,これまでにノーベル賞を受賞したさまざまな発見について,それぞれの専門分野の科学者たちに比較してもらうことにした.次に,回答でえられた発見のランキングを用いて,ノーベル賞を受賞した発見の質が過去数十年でどう変わってきたのかを判定した(…) こうしてできあがったグラフは,1980年代の終盤で止まっている.なぜそうなったか.近年,ノーベル委員会が賞を授与している研究は,1980年代と70年代になされたものに偏っているからだ.それどころか,1990年以降になされた発見でノーベル賞を受賞したものは3つし

    タイラー・コーエン「科学研究のコスパは悪くなっているのでは」
  • フェイクニュースとファクトチェック: 事実を正せば意見も正せるか (2017年11月2日)

    From VoxEU, “Fake news and fact checking: Getting the facts straight may not be enough to change minds” Oscar Barrera, Sergei Guriev, Emeric Henry, Ekaterina Zhuravskaya (02 November 2017) 「フェイクニュース」は今や欧米の政治を語る上で欠かせない要素となった.このコラムでは,2017年の仏大統領選挙期間中に実施された実験を題材に「代替的事実(オルタナティブファクト)」が高い説得力を持つことを示す.ミスリーディングな数値データに基づく物語に触れた有権者たちはポピュリストの主張する方向に意見を変え,ファクトチェッキングはこの効果を打ち消す役に立たない.それどころか,デリケートな論点(たとえば欧州の難民危機)に

    フェイクニュースとファクトチェック: 事実を正せば意見も正せるか (2017年11月2日)
  • スコット・サムナー「賃金の伸びが遅い? 説明すべき謎なんてないよ」

    [Scott Sumner, “Slow wage growth? There’s no mystery to explain,” Money Illusion, August 28, 2017] 『エコノミスト』誌から: 2007年序盤も,最近と同じくらいアメリカの失業率は低かった.当時,賃金は年率およそ 3.5% で成長していた.今日の賃金の伸びは約 2.5% だ.これに経済学者は首をかしげている.「失業率から示唆されるほど労働市場は堅調ではないのだ」と言う人たちもいれば,生産性成長が低調なのを指摘したりインフレ予想が低いのを指摘したりする人たちもいる.最新の説は,ベビーブーマー世代の退職が犯人だと説く. ホントのところ,ここには説明すべき謎なんてない.低調な賃金成長を引き起こしているのは低調な名目 GDP 成長である,まる.一件落着. すると,今度はもしかすると名目 GDP が謎にな

    スコット・サムナー「賃金の伸びが遅い? 説明すべき謎なんてないよ」
  • マーク・ソーマ 「資本主義を守り抜くには価格システムへの『公平感』を保つことが必要だ ~災害時の『便乗値上げ』の是非を巡る議論から得られる教訓~」(2012年11月28日)

    マーク・ソーマ 「資主義を守り抜くには価格システムへの『公平感』を保つことが必要だ ~災害時の『便乗値上げ』の是非を巡る議論から得られる教訓~」(2012年11月28日) ●Mark Thoma, “Hurricane Sandy’s Lesson on Preserving Capitalism”(Economist’s View, November 28, 2012) 数週間前にFiscal Timesにコラムを寄稿したのだが、今回は以下にその一部を転載しようと思う。なぜ今になって再び取り上げる気になったかというと、その理由は2つある。一つ目の理由は、誤解を正したいと思ったからだ。どうやら私の意図がうまく伝わっていないようで、読者の多くはあのコラムを「便乗値上げ」を禁じる法律に賛意を示すものと受け取ったようだが、それは違う。価格システムを腐してやろうというつもりであのコラムを書いたわ

    マーク・ソーマ 「資本主義を守り抜くには価格システムへの『公平感』を保つことが必要だ ~災害時の『便乗値上げ』の是非を巡る議論から得られる教訓~」(2012年11月28日)
  • ポール・クルーグマン「公共政策はよりよい習慣を促進すべき?」

    Paul Krugman, “Should Public Policy Promote Better Habits?,” Krugman & Co., August 29, 2014. [“Steps and the City (Fairly Trivial),” The Conscience of a Liberal, August 16, 2014.] 公共政策はよりよい習慣を促進すべき? by ポール・クルーグマン BLEIBEL/The New York Times Syndicate 『ワシントン・ポスト』のエミリー・バジャーが書いた先日の記事によると,都市のスプロールは健康にわるいそうだ.それに,Vox のサラ・クリフによると,映画館の売店も健康によくないらしい.それで,民主党のトム・ハーキン上院議員(アイオワ)とローザ・デラウロ下院議員(コネチカット)はポップコーンにカロリー

    ポール・クルーグマン「公共政策はよりよい習慣を促進すべき?」
  • ジョセフ・ヒース「なぜ炭素税は非常に低価格なのだろう?」(2016年07月30日)

    Why are carbon taxes so low? Posted by Joseph Heath on July 30, 2016 | environment, public policy カナダの環境大臣キャサリン・マッケンナは、国内炭素価格の予測値を年末までに決めると最近告知した。大変歓迎すべきニュースだ。炭素価格付け政策に関して、基礎の理論的根拠の衆知化に、多く時間を費やしてきた(ココ、ココ、ココそしてココ)私にとって、件は想定しうる限り、ほぼ勝利に近づいたと言えるだろう。事が成る事を、そうここに願う! 炭素価格付け政策に関して過去に執筆に当ててきた時間のほとんどで、私は政策の最も基礎的な特徴について説明するのに腐心してきた。([人や政府機関等が]共同で行動する際の問題は何かであるのかとか、価格付け制度はどのように作用するのかとか、なぜ[炭素だけでない]全ての財に課税してはい

    ジョセフ・ヒース「なぜ炭素税は非常に低価格なのだろう?」(2016年07月30日)
  • ノア・スミス「同質性にいざなうセイレーンの歌」(#1)

    [Noah Smith, “The siren song of homogeneity,” Noahpinion, April 30, 2017] 〔註:長文のため,数回にわけて掲載します〕 アメリカとヨーロッパは,政治が大変動する時代を迎えている.とはいえ,政策は大して変わっていない.この2~3年ほどで急激に様変わりしたのは,いろんな大衆運動や政治活動の原動力となる思想や公共の論議だ.ぼくがいちばんよく知っているアメリカでは,左派が新たに大きなうねりを起こしている――とりわけ目立つのが,社会主義運動の復興と社会正義運動だ.ただ,ぼくが知るかぎりでは,新しい動きでなにより大きいのはオルト右翼だ.ざっくり言えば(日が暮れるまで定義を論じ続けることもできるし,なかにはそうしたい向きがいるのもわかってる),オルト右翼がのぞんでいるのはアメリカ社会を同質にすることだ.とりわけ熱狂が見られるのは人種

    ノア・スミス「同質性にいざなうセイレーンの歌」(#1)
  • マーク・ソーマ 「チンパンジーが物々交換に応じたがらないのはなぜ?」(2008年1月30日)

    ●Mark Thoma, ““Why Don’t Chimpanzees Like to Barter Commodities?””(Economist’s View, January 30, 2008) チンパンジーは「自分にとって非常に価値のある物品(リンゴの薄切り)」を手放さなければならない場合にはそれと引き換えに「自分にとってもっと価値のある物品(ぶどう)」が手に入るとしても物々交換にはなかなか応じたがらない。以下に引用する研究ではその理由が探られているが、それだけにとどまらず人間社会で物々交換がいかにして発展してきたかについてもいくらか光を当てようと試みられている。 “Why don’t chimpanzees like to barter commodities?” by EurekAlert: 人類は何千年もの歴史を通じて「物々交換」に頼って生きてきた。物々交換は日々の暮らし

    マーク・ソーマ 「チンパンジーが物々交換に応じたがらないのはなぜ?」(2008年1月30日)
  • ジョセフ・ヒース『パンクは死んでいない』(2016年3月21日)

    Punk’s not dead… Posted by Joseph Heath on March 21, 2016 | culture 「反逆の神話」を書いたおかげで、音楽文化についての意見を今でも求められることがあります。いつもは断りますが、イギリスの音楽ライターであるジェミリー・アレンが持ってきたアイデアに興味を引かれたので、この記事 [1]訳注:音楽ライターのジェミリー・アレンによる「パンクはゴミだ。パンクは何も変えなかった」という記事を指す。 に対するインタビューを受けることにしました。 しかし、メールによるインタビューだったので、返事に大変な時間が掛かったうえに、恥ずかしながら大部分が没になりました。そこで、興味のある人向けにブログで全インタビューを掲載します。 問:『反逆の神話』の中で、カウンターカルチャーはシステムに対して脅威ではないと、あなたは主張しました。芸術は何も変え

    ジョセフ・ヒース『パンクは死んでいない』(2016年3月21日)
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