ナウシカ歌舞伎を映画館で見てきた。1週間限定で、前後編のうち前編である。4300円。破格の値段だ。しかも3時間15分ある。前編だけで3時間である。途中に15分の休憩がある。インド映画みたいである。 しかしこれがめちゃめちゃ面白かったのである。4300円、小劇場で演劇を見るくらいの値段だがまったく高くなかった。 僕は歌舞伎を見たことはない。漫画やCMなどのサブカルチャー内での戯画化された歌舞伎、隈取の俳優が「いよぉ〜」と見栄を切る歌舞伎のパロディなら見たことはある。正直それらの歌舞伎パロディを見て「カッコいい」「魅力的だ」と思ったことはなかった。教養高い人物好きなたちが高い金を払って見に行く伝統芸能。美術館に所蔵された江戸時代の骨董品。そういうイメージであった。 しかし本物、超一流の歌舞伎役者が演じる「風の谷のナウシカ」はやっぱりものすごかったのである。それは超一流の噺家の落語がそのへんのバ